…場所は、キルディリア魔王国。
入国検問所の近くにあるホテルに、無闇さんと共にチェックインした。
「ふぅ…。…とりあえず、無事に辿り着きましたね」
「そうだな」
ようやく目的地に辿り着いた安堵感からか。
旅の疲れがどっと出てきて、私はベッドに腰掛けた。
…意気込んで、出国してきたのは良かったが。
ジュリスさんに聞いていた以上に…。…この国に来るのは、大変だった。
まず…。
「…何だか…まだ、足元がふらつくような気がしますね…」
「俺もだ。…随分揺れたからな」
「ですよね…」
船旅は、これまでも何度か経験したことがあるけれど。
こんなに過酷な船旅は、今回が初めてです。
過酷なんて、いくら何でも言い過ぎ、と思うでしょう?
全然、言い過ぎじゃないんです。
キルディリア魔王国への船旅は、荒れ狂う大海を越えるようなもの。
ルーデュニア聖王国の港を出港した当初は、波も穏やかで、とても快適な船旅だったのに。
キルディリア魔王国が近づくと共に、段々と海は荒れてきて。
まるでエレベーターに乗っているかのように、上に下に、ふわふわ、ふわふわと…。
…うぅ。思い出しただけで気持ち悪くなってきた。
食欲などあろうはずもなく、ひたすら船酔いと戦ってました。
あまりに激しく揺れるものだから、「この船、本当に大丈夫だろうか?」という不安にも駆られ。
小心者の私は、心の中で、どうか無事に着きますように、と必死に祈っていたのだが。
そんな心配をしているのは、私くらいのもので。
他の船客達は、全く不安がる様子はなく。
いつものことと言わんばかりに、けろりと談笑したり、飲食したりしていた。
むしろ、これが普通なんですよね。
ジュリスさん曰く、キルディリア魔王国近郊の海は、いつもこんな感じで。
揺れるのが当たり前、荒れてるのが当たり前なんだそうです。
…キルディリア魔王国は、元々流刑の血地。
故郷で異端者とされた魔導師が、島流しの憂き目に遭って、この荒れた小島に追放され。
そうして出来た魔導師の国が、ここ、キルディリア魔王国なのだ。
こんな荒れた土地に追放された、キルディリア魔王国の先祖達が気の毒だった。
…時代が時代なら、アルデン人である私も、同じ目に遭っていたのかもしれませんね。
そう想像すると、心がきゅっと痛くなった。
すると。
「それよりも俺は、入国審査の方が衝撃的だったな」
と、無闇さんが言った。
…入国審査…。そうですね。
キルディリア魔王国の入国検問所は、確かに、独特なものでした。
事前に、ジュリスさんから話を聞いていなかったら。
今頃、もっと動揺していたでしょうね。
入国検問所の近くにあるホテルに、無闇さんと共にチェックインした。
「ふぅ…。…とりあえず、無事に辿り着きましたね」
「そうだな」
ようやく目的地に辿り着いた安堵感からか。
旅の疲れがどっと出てきて、私はベッドに腰掛けた。
…意気込んで、出国してきたのは良かったが。
ジュリスさんに聞いていた以上に…。…この国に来るのは、大変だった。
まず…。
「…何だか…まだ、足元がふらつくような気がしますね…」
「俺もだ。…随分揺れたからな」
「ですよね…」
船旅は、これまでも何度か経験したことがあるけれど。
こんなに過酷な船旅は、今回が初めてです。
過酷なんて、いくら何でも言い過ぎ、と思うでしょう?
全然、言い過ぎじゃないんです。
キルディリア魔王国への船旅は、荒れ狂う大海を越えるようなもの。
ルーデュニア聖王国の港を出港した当初は、波も穏やかで、とても快適な船旅だったのに。
キルディリア魔王国が近づくと共に、段々と海は荒れてきて。
まるでエレベーターに乗っているかのように、上に下に、ふわふわ、ふわふわと…。
…うぅ。思い出しただけで気持ち悪くなってきた。
食欲などあろうはずもなく、ひたすら船酔いと戦ってました。
あまりに激しく揺れるものだから、「この船、本当に大丈夫だろうか?」という不安にも駆られ。
小心者の私は、心の中で、どうか無事に着きますように、と必死に祈っていたのだが。
そんな心配をしているのは、私くらいのもので。
他の船客達は、全く不安がる様子はなく。
いつものことと言わんばかりに、けろりと談笑したり、飲食したりしていた。
むしろ、これが普通なんですよね。
ジュリスさん曰く、キルディリア魔王国近郊の海は、いつもこんな感じで。
揺れるのが当たり前、荒れてるのが当たり前なんだそうです。
…キルディリア魔王国は、元々流刑の血地。
故郷で異端者とされた魔導師が、島流しの憂き目に遭って、この荒れた小島に追放され。
そうして出来た魔導師の国が、ここ、キルディリア魔王国なのだ。
こんな荒れた土地に追放された、キルディリア魔王国の先祖達が気の毒だった。
…時代が時代なら、アルデン人である私も、同じ目に遭っていたのかもしれませんね。
そう想像すると、心がきゅっと痛くなった。
すると。
「それよりも俺は、入国審査の方が衝撃的だったな」
と、無闇さんが言った。
…入国審査…。そうですね。
キルディリア魔王国の入国検問所は、確かに、独特なものでした。
事前に、ジュリスさんから話を聞いていなかったら。
今頃、もっと動揺していたでしょうね。



