神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「僕の予想が正しければ…。…そろそろ、上級魔導師を含むキルディリア国軍の本隊が、アーリヤット皇国領に上陸しているはずです」

と、ナジュは自らの予想を口にした。

…そうだな。

「そ、そんな…。それじゃ…!」

「えぇ…。…残念ながら、僕達に残された猶予は、もうほとんどないでしょう」

「…」

こんな風に、呑気に皆で集まって、話をする余裕もなくなるかもしれないな。

「これ以上、被害が出る前に…。一刻も早く…学院長と羽久さんが、根本的な解決をしてくれれば良いんですが」

根本的な解決…。

つまり、イシュメル女王を説得して、キルディリア国軍をアーリヤット皇国から全面撤退させること、だな。

あるいは。

「令月とすぐりとマシュリが…無事に、ナツキ皇王を連れ戻してくれれば…」

「そうですね。ナツキ様が戻れば、キルディリア国軍とて、これ以上の手出しは出来ないでしょう」

…だが、これに関しては。

ここにいる俺達には、ただ祈ることしか出来ないな。

…しばし、沈黙が続いたが。

「…。…ここで私達が話し合っていても、何も解決しません」

クュルナが、その沈黙を破った。

「私は、自分に出来ることをします」

「…そうだな。行動を起こさねば、何も変わらない」

「じゃ、もっかい行ってこよっかー」

無闇と月読が、それに続いた。

「うん…。僕も頑張るよ。みんな、お願いだから怪我をしないで。充分に気をつけてね」

「お前もな、天音」

俺達全員、また持ち場に戻ろうとした…

その時。

「ジュリス、来た」

「は?」

ベリクリーデが、ちょいちょい、と俺の服の裾を引っ張ってきた。

…来た?何が?

「…あ、成程」

そのベリクリーデの心を読んで、何かを知ったのか、ぽん、と手を打つナジュ。

おい、何だよ。

お前ら、二人で納得するんじゃねぇ。

「もう大丈夫だよ、ジュリス。みんな大丈夫」

「大丈夫って…。何がだよ?どう…」

「帰ってきたから」

…。

…え?

それって、まさか…。