ーーーーー…令月とすぐりが、『玉響』を足止めしてくれている間。
僕は、ナツキ皇王の匂いを辿って、地下室に向かっているところだった。
…出来れば誰にも見つからず、こっそりナツキ皇王を連れ帰りたかったんだけど。
残念ながら、そうはいかなかったようで。
「いたぞ!あそこだ!」
「捕まえろ!」
王城の衛兵達が、僕の背中を追いかけてきていた。
まぁ、一筋縄ではいかないよね。
ここ、一応王宮なんだし。
女王は不在のようだけど。
僕が地下室に向かうのを食い止めようと、幾人もの衛兵達が、僕を取り囲んだ。
あっという間に、行く手を遮られてしまった。
入り口の警備はザルだったが、この辺りはよく訓練されているようだ。
衛兵達は、全員魔導師なのだろう。
首から、銀色の証明書をさげていた。
成程…あれが、噂の魔導師証明書。
銀色ってことは、一般魔導師なのか。
…しかも。
「…見つけたぞ、侵入者」
僕を取り囲む衛兵の中に、ひときわ目立つ存在が、一人、立ち塞がるように前に出た。
その男が、首に下げているネームホルダー。
そこには、光り輝く金色の証明書があった。
金色…。…噂の上級魔導師か。
「イシュメル女王陛下に仇を成す者は、この手で成敗する…!」
…大した威勢の良さだ。
そして、彼が放つ爆発的な魔力もまた、大したものだった。
さすが、キルディリア魔王国の上級魔導師。
…だけど。
「…ごめん、悪いけど」
僕も、遊んであげる余裕はないんだ。
僕は、自分の魔力を抑えている…賢者の石で作られた指輪を、外した。
途端に、普段は賢者の石で相殺している、禍々しい魔力が。
本来の、魔物としての僕の魔力が溢れ出した。
人間と、ケルベロスのハーフ。
僕の…本来の姿に『変化』した。
その禍々しい姿を見て、キルディリア魔導師達は息を呑んだ。
「っ…!バケモノっ…!」
誰かが、思わずそう呟いた。
…そうだね、バケモノ。
自分でも、そう思うよ。
僕だって、自分のこの姿が嫌いだった。
奪うことしか出来ない、誰かを…大切な人を傷つけることしか出来ない、この罪の姿が。
でも…今は違う。
「…僕達の邪魔をしないで」
この力で、大切な人を守ることが出来るのだから。
僕は、ナツキ皇王の匂いを辿って、地下室に向かっているところだった。
…出来れば誰にも見つからず、こっそりナツキ皇王を連れ帰りたかったんだけど。
残念ながら、そうはいかなかったようで。
「いたぞ!あそこだ!」
「捕まえろ!」
王城の衛兵達が、僕の背中を追いかけてきていた。
まぁ、一筋縄ではいかないよね。
ここ、一応王宮なんだし。
女王は不在のようだけど。
僕が地下室に向かうのを食い止めようと、幾人もの衛兵達が、僕を取り囲んだ。
あっという間に、行く手を遮られてしまった。
入り口の警備はザルだったが、この辺りはよく訓練されているようだ。
衛兵達は、全員魔導師なのだろう。
首から、銀色の証明書をさげていた。
成程…あれが、噂の魔導師証明書。
銀色ってことは、一般魔導師なのか。
…しかも。
「…見つけたぞ、侵入者」
僕を取り囲む衛兵の中に、ひときわ目立つ存在が、一人、立ち塞がるように前に出た。
その男が、首に下げているネームホルダー。
そこには、光り輝く金色の証明書があった。
金色…。…噂の上級魔導師か。
「イシュメル女王陛下に仇を成す者は、この手で成敗する…!」
…大した威勢の良さだ。
そして、彼が放つ爆発的な魔力もまた、大したものだった。
さすが、キルディリア魔王国の上級魔導師。
…だけど。
「…ごめん、悪いけど」
僕も、遊んであげる余裕はないんだ。
僕は、自分の魔力を抑えている…賢者の石で作られた指輪を、外した。
途端に、普段は賢者の石で相殺している、禍々しい魔力が。
本来の、魔物としての僕の魔力が溢れ出した。
人間と、ケルベロスのハーフ。
僕の…本来の姿に『変化』した。
その禍々しい姿を見て、キルディリア魔導師達は息を呑んだ。
「っ…!バケモノっ…!」
誰かが、思わずそう呟いた。
…そうだね、バケモノ。
自分でも、そう思うよ。
僕だって、自分のこの姿が嫌いだった。
奪うことしか出来ない、誰かを…大切な人を傷つけることしか出来ない、この罪の姿が。
でも…今は違う。
「…僕達の邪魔をしないで」
この力で、大切な人を守ることが出来るのだから。



