そして今、千載一遇の機会がやって来た。
マシュリには悪いけど、今だけは…部外者に邪魔されたくないんだよね。
それに、ナツキ皇王を連れ戻すっていう本来の役目も、忘れた訳じゃないし。
そっちはマシュリに任せて、こっちは自分のやるべきことをやるよ。
だから。
「行って、早く。ここは俺達で何とかするからさ」
「…。…分かった」
俺と『八千代』の覚悟を、しかと受け取ったマシュリは。
それ以上何も聞かず、すぐさま頷いてくれた。
いやー、マシュリも話が早くて助かるよね。
これが羽久せんせーとか学院長せんせーだったら、「お前らを置いていける訳ないだろ!」とか言って。
多分、こんなにすんなりとは行かなかったと思うんだよね。
頑固だからなー。羽久せんせー。
その点、マシュリは聞き分け良くて良いよ。
「ナツキ皇王を見つけたら、すぐ戻ってくる。それまで持ち堪えて」
「はいはい、任せて任せて」
「…気をつけて」
そう言って。
マシュリは人間の姿から、猫の姿に。
いろりの姿に『変化』して、立ち塞がろうとする『玉響』の真上を、
堂々と、勢いよく飛び越えていった。
おぉー、ダイナミック。
「っ、逃がすと思って…!」
だが、『玉響』とて、ただ黙って見ているだけではない。
すかさず糸魔法を射出して、マシュリを捕まえようとした。
おっと、それは駄目だ。
「させないよ」
俺は右手を前に出し、『玉響』が使っている糸魔法と、まったく同じ透明な糸を射出。
糸と糸が絡まり、威力を完全に相殺した。
「反動」が、ビリビリと腕に伝わってくる。
なかなか良い糸だ。…俺のと、よく似ている。
けれど、負けるつもりはないよ。
これでも、糸魔法の本家本元だからねー、俺は。
偽物に負けたんじゃ、本物の『玉響』に面目ない。
「…裏切り者共が」
『偽玉響』は、忌々しそうに呟いた。
あー…。…うん、まぁ。
それについては否定出来ないかな。…さすがに。
「一度ならぬ、二度までも『アメノミコト』を裏切るとは…。暗殺者のプライドもなくしたんですか」
「あはは。…くだらないこと言うね、君」
暗殺者の、プライド?
ある訳ないでしょ。最初から、そんなもの。
美化してんじゃないよ。
暗殺者の仕事は、人を殺すこと。そこに美学なんて要らない。
強いて言うなら、自分のしたことに責任を持つ。…そのくらいのプライドなら、あるかな。
だから、つまり。
『玉響』は、俺が殺したんだから。
今目の前にいる君は、今すぐ、速攻、消えてもらわなきゃ困るんだ。
「死者は大人しく、あの世に帰ってくれるかな」
「…あなた達では、僕には勝てません」
ふぅん?
『偽玉響』は、再び、両手に糸を絡ませた。
「状況分かってる?2対1だよ」
「そうですね。ですが…僕は、あなた達のような欠陥品ではありません」
「…」
「だから、いくらあなた達が束になろうと…今や、僕の敵ではない」
…あぁ、そう。
威勢が良くて、結構なことじゃないか。
じゃー、その言葉が伊達じゃないって…証明してもらおうかな。
「『八千代』、行くよ」
「うん」
『八千代』もまた、愛用の小太刀を構えた。
さぁ、因縁の決着をつけようか。
マシュリには悪いけど、今だけは…部外者に邪魔されたくないんだよね。
それに、ナツキ皇王を連れ戻すっていう本来の役目も、忘れた訳じゃないし。
そっちはマシュリに任せて、こっちは自分のやるべきことをやるよ。
だから。
「行って、早く。ここは俺達で何とかするからさ」
「…。…分かった」
俺と『八千代』の覚悟を、しかと受け取ったマシュリは。
それ以上何も聞かず、すぐさま頷いてくれた。
いやー、マシュリも話が早くて助かるよね。
これが羽久せんせーとか学院長せんせーだったら、「お前らを置いていける訳ないだろ!」とか言って。
多分、こんなにすんなりとは行かなかったと思うんだよね。
頑固だからなー。羽久せんせー。
その点、マシュリは聞き分け良くて良いよ。
「ナツキ皇王を見つけたら、すぐ戻ってくる。それまで持ち堪えて」
「はいはい、任せて任せて」
「…気をつけて」
そう言って。
マシュリは人間の姿から、猫の姿に。
いろりの姿に『変化』して、立ち塞がろうとする『玉響』の真上を、
堂々と、勢いよく飛び越えていった。
おぉー、ダイナミック。
「っ、逃がすと思って…!」
だが、『玉響』とて、ただ黙って見ているだけではない。
すかさず糸魔法を射出して、マシュリを捕まえようとした。
おっと、それは駄目だ。
「させないよ」
俺は右手を前に出し、『玉響』が使っている糸魔法と、まったく同じ透明な糸を射出。
糸と糸が絡まり、威力を完全に相殺した。
「反動」が、ビリビリと腕に伝わってくる。
なかなか良い糸だ。…俺のと、よく似ている。
けれど、負けるつもりはないよ。
これでも、糸魔法の本家本元だからねー、俺は。
偽物に負けたんじゃ、本物の『玉響』に面目ない。
「…裏切り者共が」
『偽玉響』は、忌々しそうに呟いた。
あー…。…うん、まぁ。
それについては否定出来ないかな。…さすがに。
「一度ならぬ、二度までも『アメノミコト』を裏切るとは…。暗殺者のプライドもなくしたんですか」
「あはは。…くだらないこと言うね、君」
暗殺者の、プライド?
ある訳ないでしょ。最初から、そんなもの。
美化してんじゃないよ。
暗殺者の仕事は、人を殺すこと。そこに美学なんて要らない。
強いて言うなら、自分のしたことに責任を持つ。…そのくらいのプライドなら、あるかな。
だから、つまり。
『玉響』は、俺が殺したんだから。
今目の前にいる君は、今すぐ、速攻、消えてもらわなきゃ困るんだ。
「死者は大人しく、あの世に帰ってくれるかな」
「…あなた達では、僕には勝てません」
ふぅん?
『偽玉響』は、再び、両手に糸を絡ませた。
「状況分かってる?2対1だよ」
「そうですね。ですが…僕は、あなた達のような欠陥品ではありません」
「…」
「だから、いくらあなた達が束になろうと…今や、僕の敵ではない」
…あぁ、そう。
威勢が良くて、結構なことじゃないか。
じゃー、その言葉が伊達じゃないって…証明してもらおうかな。
「『八千代』、行くよ」
「うん」
『八千代』もまた、愛用の小太刀を構えた。
さぁ、因縁の決着をつけようか。



