そして、建物を取り囲んでいたキルディリア軍は。
手に持った杖に、次々と、瓦礫の破片や、炎魔法で作った火球を出現させ。
それを一斉に、アーリヤット人が立てこもるビルに向かって放とうとした。
…まったく、この血の気の多い奴らだ。
「ジュリス…!」
ベリクリーデが、焦った表情で俺に縋った。
「分かってる」
この馬鹿げた争いを終わらせるのが、俺の役目だ。
俺は、自らも杖を取り出し、ビルの前に立ち塞がった。
「earricadb」
ビルの全体を守るように、魔力で作った障壁を展開。
一斉に放たれた全ての攻撃を、まとめて全部防いでみせた。
「…!?何者だ…!?」
狼狽えるエリトール。
…思い出したよ、お前。
エリトールって名前…。キュレムとルイーシュから聞いた。
あんた、ルイーシュの専属見習い魔導師だったんだって?
上級魔導師の見習いだけあって、なかなかの魔法の冴えだが…。
…でも、そんな頭でっかちの考え方じゃ、大成しないぞ。
「お前ら…いい加減にしろ。やって良いことと悪いことの区別もつかないのか?」
このビルに立てこもってる、大勢のアーリヤット人を虐殺するつもりか。
そんなことして、一体何になる?
より一層、アーリヤット人の反感を買うだけだ。
「なんだ、お前は…!邪魔をするな、そこを退け!」
エリトールは杖を構え、怒声を浴びせて、こちらを威嚇しようとした。
すると。
「駄目だよ」
ベリクリーデが、俺の隣にずいっと出てきた。
お、おぉ?
「ベリクリーデ。危ないからさがっ…」
「ジュリスにも、この建物の中にいる人にも、酷いことをしちゃ駄目だよ」
…どうやらベリクリーデなりに、エリトール達を説得しようとしているらしい。
「そいつらは国賊だ。庇い立てするな!」
「…??こくぞく、って何?」
ごめんな。
ベリクリーデ、国語が苦手なんだよ。
「えっ…?そ、それは…キルディリア総督府に逆らった、反逆者ということだ!」
「なんで?なんで反逆者だったら、酷いことをしても良いの?」
「そ…れは…」
「酷いことをされたからって酷いことをしたら、もっと酷いことになるよ?」
「…」
…すげぇ。
ベリクリーデ、完全論破。
幼稚園児並みの純真無垢さで、汚い大人を黙らせたぞ。
しかし、エリトールが「ぐぬぬ…」となっていたのは、一瞬のことで。
ベリクリーデの子供じみた正論に、ついに業を煮やしたのか。
「えぇい、うるさい!黙れ!お前の言い分など知ったことか!」
あぁ…もう、ブチギレだよ。
「そこを退け!退かないなら、まとめて消し炭にしてやる!」
「…??けしずみ、って何?」
「…ベリクリーデ。ごめんな?悪いけど、ちょっと黙っててくれるか」
これ以上、余計にエリトールを怒らせないでやってくれ。
力加減を間違えてしまうよ。
「この馬鹿は、俺が一発ぶん殴って落ち着かせるから」
「ジュリス、頑張れ〜」
「あぁ」
俺は、再度強く杖を握り締めた。
…さてと。じゃ、血気盛んな若者に、拳骨をお見舞いしてやるとするかな。
手に持った杖に、次々と、瓦礫の破片や、炎魔法で作った火球を出現させ。
それを一斉に、アーリヤット人が立てこもるビルに向かって放とうとした。
…まったく、この血の気の多い奴らだ。
「ジュリス…!」
ベリクリーデが、焦った表情で俺に縋った。
「分かってる」
この馬鹿げた争いを終わらせるのが、俺の役目だ。
俺は、自らも杖を取り出し、ビルの前に立ち塞がった。
「earricadb」
ビルの全体を守るように、魔力で作った障壁を展開。
一斉に放たれた全ての攻撃を、まとめて全部防いでみせた。
「…!?何者だ…!?」
狼狽えるエリトール。
…思い出したよ、お前。
エリトールって名前…。キュレムとルイーシュから聞いた。
あんた、ルイーシュの専属見習い魔導師だったんだって?
上級魔導師の見習いだけあって、なかなかの魔法の冴えだが…。
…でも、そんな頭でっかちの考え方じゃ、大成しないぞ。
「お前ら…いい加減にしろ。やって良いことと悪いことの区別もつかないのか?」
このビルに立てこもってる、大勢のアーリヤット人を虐殺するつもりか。
そんなことして、一体何になる?
より一層、アーリヤット人の反感を買うだけだ。
「なんだ、お前は…!邪魔をするな、そこを退け!」
エリトールは杖を構え、怒声を浴びせて、こちらを威嚇しようとした。
すると。
「駄目だよ」
ベリクリーデが、俺の隣にずいっと出てきた。
お、おぉ?
「ベリクリーデ。危ないからさがっ…」
「ジュリスにも、この建物の中にいる人にも、酷いことをしちゃ駄目だよ」
…どうやらベリクリーデなりに、エリトール達を説得しようとしているらしい。
「そいつらは国賊だ。庇い立てするな!」
「…??こくぞく、って何?」
ごめんな。
ベリクリーデ、国語が苦手なんだよ。
「えっ…?そ、それは…キルディリア総督府に逆らった、反逆者ということだ!」
「なんで?なんで反逆者だったら、酷いことをしても良いの?」
「そ…れは…」
「酷いことをされたからって酷いことをしたら、もっと酷いことになるよ?」
「…」
…すげぇ。
ベリクリーデ、完全論破。
幼稚園児並みの純真無垢さで、汚い大人を黙らせたぞ。
しかし、エリトールが「ぐぬぬ…」となっていたのは、一瞬のことで。
ベリクリーデの子供じみた正論に、ついに業を煮やしたのか。
「えぇい、うるさい!黙れ!お前の言い分など知ったことか!」
あぁ…もう、ブチギレだよ。
「そこを退け!退かないなら、まとめて消し炭にしてやる!」
「…??けしずみ、って何?」
「…ベリクリーデ。ごめんな?悪いけど、ちょっと黙っててくれるか」
これ以上、余計にエリトールを怒らせないでやってくれ。
力加減を間違えてしまうよ。
「この馬鹿は、俺が一発ぶん殴って落ち着かせるから」
「ジュリス、頑張れ〜」
「あぁ」
俺は、再度強く杖を握り締めた。
…さてと。じゃ、血気盛んな若者に、拳骨をお見舞いしてやるとするかな。



