「…やっぱり、ここにいたんだね」
令月はいつの間にか、両手に小太刀を構えていた。
実に隙のない構えだ。
「あなた達こそ。…何をしに来たんですか?」
「決まってるでしょ?…『八岐の大蛇』とかいう新興組織にお株を奪われて、金で雇われて他国の戦争に首を突っ込んでる、情けない古巣の暗殺者達を笑いに来たんだよ」
「…」
『玉響』は無言である。
どうやら、図星だったらしい。
「あとは、まー…。ここに来れば、君との因縁に決着をつけられると思ってね」
すぐりもまた、いつの間にか、戦闘態勢だった。
両手に糸を絡ませ、いつでも射出出来るよう備えていた。
…やっぱり、そうだったんだ。
令月とすぐり…この二人にとって、ナツキ皇王の奪還作戦なんて、本当はどうでも良くて。
『アメノミコト』の暗殺者…『玉響』が、ファニレス王宮にいるという情報を、キュレムとルイーシュに聞いた時から。
この二人はずっと、『玉響』と決着を受けることを考えていた。
…そうだね。
ナツキ皇王には悪いけど、君達にとっては、そっちの方が遥かに重要だ。
「…マシュリ、先に行って」
小太刀を構えた令月が、僕に言った。
手助けは要らない。先に行け、と。
一応、ナツキ皇王を奪還するという目的を、忘れた訳ではないらしい。
プロ意識だね。
…ならば。
僕もまた、自分の役目を果たすとしよう。
「…分かった」
僕は、猫の姿から、マシュリの姿に『変化』し直した。
ここからはもう、身分を隠す必要はない。
堂々と、侵入者として振る舞わせてもらおう。
「でも、無事に戻ってきて」
「うん」
「だいじょーぶだよ。こっちを片付けたら、すぐ追いつくから」
言ったね?
今の言葉、忘れないからね。
「…逃がすと思いますか?」
『玉響』が僕を睨み、糸魔法を射出。
恐らく、僕を拘束しようとしたのだろうが…。
僕が、身を躱す必要さえなかった。
素早く動いた令月が、僕に届く前に、『玉響』の糸を両断していたからだ。
…さすが。
「早く。行って」
「…気をつけて」
「うん、分かってる」
君達がそう言うなら、信じるよ。
『玉響』の前に立ち塞がる、令月とすぐりを置き去りに。
僕は、ナツキ皇王奪還の為に、王宮の地下を目指して走り出した。
令月はいつの間にか、両手に小太刀を構えていた。
実に隙のない構えだ。
「あなた達こそ。…何をしに来たんですか?」
「決まってるでしょ?…『八岐の大蛇』とかいう新興組織にお株を奪われて、金で雇われて他国の戦争に首を突っ込んでる、情けない古巣の暗殺者達を笑いに来たんだよ」
「…」
『玉響』は無言である。
どうやら、図星だったらしい。
「あとは、まー…。ここに来れば、君との因縁に決着をつけられると思ってね」
すぐりもまた、いつの間にか、戦闘態勢だった。
両手に糸を絡ませ、いつでも射出出来るよう備えていた。
…やっぱり、そうだったんだ。
令月とすぐり…この二人にとって、ナツキ皇王の奪還作戦なんて、本当はどうでも良くて。
『アメノミコト』の暗殺者…『玉響』が、ファニレス王宮にいるという情報を、キュレムとルイーシュに聞いた時から。
この二人はずっと、『玉響』と決着を受けることを考えていた。
…そうだね。
ナツキ皇王には悪いけど、君達にとっては、そっちの方が遥かに重要だ。
「…マシュリ、先に行って」
小太刀を構えた令月が、僕に言った。
手助けは要らない。先に行け、と。
一応、ナツキ皇王を奪還するという目的を、忘れた訳ではないらしい。
プロ意識だね。
…ならば。
僕もまた、自分の役目を果たすとしよう。
「…分かった」
僕は、猫の姿から、マシュリの姿に『変化』し直した。
ここからはもう、身分を隠す必要はない。
堂々と、侵入者として振る舞わせてもらおう。
「でも、無事に戻ってきて」
「うん」
「だいじょーぶだよ。こっちを片付けたら、すぐ追いつくから」
言ったね?
今の言葉、忘れないからね。
「…逃がすと思いますか?」
『玉響』が僕を睨み、糸魔法を射出。
恐らく、僕を拘束しようとしたのだろうが…。
僕が、身を躱す必要さえなかった。
素早く動いた令月が、僕に届く前に、『玉響』の糸を両断していたからだ。
…さすが。
「早く。行って」
「…気をつけて」
「うん、分かってる」
君達がそう言うなら、信じるよ。
『玉響』の前に立ち塞がる、令月とすぐりを置き去りに。
僕は、ナツキ皇王奪還の為に、王宮の地下を目指して走り出した。



