神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

王宮に忍び込むことに成功したら。

次にやることは、一つだけ。

地下室に囚われているナツキ皇王を救い出す。…これだけだ。

「ねぇマシュリ、ナツキこーおーの居場所、分かる?」

「うん。地下からあの人の匂いがする」

匂いがする方を辿っていけば、いずれ出会えるだろう。

「便利だね、マシュリの鼻」

「羨ましいよねー。暗殺にもってこいだよ」

お褒めいただき光栄、だけど。

僕に暗殺任務は向いてないと思うよ。…少なくとも、君達ほどは。

「ぐずぐずしてられない。急いで…」

地下に行こう、と言いかけたが。

…残念ながら、一筋縄では行かないようだ。

「どーしたの?」

「…駄目だ。気づかれた」

「へぇ?」

恐らく、「彼」は。

僕達がこの王宮に侵入してすぐ、侵入者に気づいたのだろう。




「…白昼堂々忍び込むとは、暗殺者らしからぬことをしますね」



僕達の前に、立ち塞がるように。

現れたのは、『玉響』という名前の…『アメノミコト』の暗殺者だった。

そして、同行している令月とすぐりの、古い仲間でもある人物だそうだ。