ーーーーー…一方。こちらは。
僕と令月、すぐりの三人の現在地は。
キルディリア魔王国の、上空である。
「そろそろ降下するよ」
「うん、お願い」
「いやー。船なんかよりずっと速いね。便利だよねー」
それはどうも。
現在僕は、神竜…バハムート族の姿に『変化』し。
通称マシュリタクシーとなって、令月、すぐりの二人を背中に乗せ。
ここ、キルディリア魔王国本国まで運んできた次第である。
このくらいは、僕にとっては何でもないことである。
船で潜入するより、ずっと時間を短縮出来るからね。
キルディリア魔王国上空に辿り着いた僕は、ヘリコプターみたいに、その場に降下。
ある程度降下して、雲の隙間から、地上が見える頃になると。
「キルディリア国民に姿を見られると困るから、そろそろ『変化』を解くよ。良い?」
「どうぞー」
「いつでも良いよ」
今回の「乗客」は、話が早くて助かる。
これがシルナ学院長だったら、「無理無理無理!怖い怖い怖い!」って、叫びまくってただろうから。
いつでも良いと言われたから、遠慮なく。
僕は、神竜バハムートの姿から、いつものマシュリの姿に『変化』し直した。
途端に、竜の背中に乗っていた令月とすぐりは、足場をなくして、地上に真っ逆さま。
しかし、この二人はまったく慌てることなく。
「よいしょ、っと」
真っ逆さまに落下しながら、すぐりは両手から糸を射出。
その糸で、令月をぐるぐる巻きにして、降下の速度を大幅に減少させ。
自身もまた、編み上げた糸をパラシュート代わりにして、ゆっくりと降下した。
そして、何事もなかったように、地上に降り立った。
ここまで、お互いに打ち合わせした訳でも、何かしらの意思疎通があった訳でもない。
それなのに、二人共まったく慌てることも、狼狽えることも、戸惑うこともなく。
すべてが流れ作業のように、見事二人揃って、無傷で美しく着地してみせた。
凄いな。
僕は神竜族だから、パラシュートなしで降下しようが、地面に叩きつけられようが、全然平気だけど。
ただの人間に過ぎないこの二人にとっては、一歩間違えば、地面に叩きつけられて即死していただろうに。
そういう、自分の命に対する危機感とか、恐怖心と言ったものは、まるで感じられない。
それどころか。
「…二人共、怖くなかったの?平気?」
「えー?何が?」
すぐりは、令月をぐるぐる巻きにしていた糸をするすると解きながら。
「別に、何ともなかったけど」
令月の方も、平然と、自分の持ち物を整理し直していた。
…成程。元暗殺者というのは伊達ではないらしい。
見上げた胆力である。
この二人なら、何も心配はなさそうだ。
「すぐに、ファニレス王宮に向かおう」
「場所、分かる?」
「うん。さっき空の上から、クリスタルみたいな大きな城が見えたから」
多分、あれが話に聞いていたファニレス王宮だろう。
見た目はクリスタルのお城だけど、実はハリボテなんだそうだ。
「あぁ、成程。竜の目って便利だねー。凄く遠くまで見えるんだ」
「羨ましいね」
どうも。
自分の力を好意的に感じたことはないが、それでも、頼りにされるのは悪くない気分だよ。
僕と令月、すぐりの三人の現在地は。
キルディリア魔王国の、上空である。
「そろそろ降下するよ」
「うん、お願い」
「いやー。船なんかよりずっと速いね。便利だよねー」
それはどうも。
現在僕は、神竜…バハムート族の姿に『変化』し。
通称マシュリタクシーとなって、令月、すぐりの二人を背中に乗せ。
ここ、キルディリア魔王国本国まで運んできた次第である。
このくらいは、僕にとっては何でもないことである。
船で潜入するより、ずっと時間を短縮出来るからね。
キルディリア魔王国上空に辿り着いた僕は、ヘリコプターみたいに、その場に降下。
ある程度降下して、雲の隙間から、地上が見える頃になると。
「キルディリア国民に姿を見られると困るから、そろそろ『変化』を解くよ。良い?」
「どうぞー」
「いつでも良いよ」
今回の「乗客」は、話が早くて助かる。
これがシルナ学院長だったら、「無理無理無理!怖い怖い怖い!」って、叫びまくってただろうから。
いつでも良いと言われたから、遠慮なく。
僕は、神竜バハムートの姿から、いつものマシュリの姿に『変化』し直した。
途端に、竜の背中に乗っていた令月とすぐりは、足場をなくして、地上に真っ逆さま。
しかし、この二人はまったく慌てることなく。
「よいしょ、っと」
真っ逆さまに落下しながら、すぐりは両手から糸を射出。
その糸で、令月をぐるぐる巻きにして、降下の速度を大幅に減少させ。
自身もまた、編み上げた糸をパラシュート代わりにして、ゆっくりと降下した。
そして、何事もなかったように、地上に降り立った。
ここまで、お互いに打ち合わせした訳でも、何かしらの意思疎通があった訳でもない。
それなのに、二人共まったく慌てることも、狼狽えることも、戸惑うこともなく。
すべてが流れ作業のように、見事二人揃って、無傷で美しく着地してみせた。
凄いな。
僕は神竜族だから、パラシュートなしで降下しようが、地面に叩きつけられようが、全然平気だけど。
ただの人間に過ぎないこの二人にとっては、一歩間違えば、地面に叩きつけられて即死していただろうに。
そういう、自分の命に対する危機感とか、恐怖心と言ったものは、まるで感じられない。
それどころか。
「…二人共、怖くなかったの?平気?」
「えー?何が?」
すぐりは、令月をぐるぐる巻きにしていた糸をするすると解きながら。
「別に、何ともなかったけど」
令月の方も、平然と、自分の持ち物を整理し直していた。
…成程。元暗殺者というのは伊達ではないらしい。
見上げた胆力である。
この二人なら、何も心配はなさそうだ。
「すぐに、ファニレス王宮に向かおう」
「場所、分かる?」
「うん。さっき空の上から、クリスタルみたいな大きな城が見えたから」
多分、あれが話に聞いていたファニレス王宮だろう。
見た目はクリスタルのお城だけど、実はハリボテなんだそうだ。
「あぁ、成程。竜の目って便利だねー。凄く遠くまで見えるんだ」
「羨ましいね」
どうも。
自分の力を好意的に感じたことはないが、それでも、頼りにされるのは悪くない気分だよ。



