神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

やっぱり…。キュレムとルイーシュのことだったか。

「大体、最初からずっと怪しいと思ってたんです。自分は上級魔導師なのに、『青カード』なんかに同情する言動ばかりで…」

「…」

「魔法の使い方の指南を頼んでも、『勘だ』とか訳の分からないことを言って、全然教えてくれなかったし…」

「あー…。うん…」

まぁ、あの二人は。

確かに…学生時代からずっと、感覚で魔法使ってたな…。

なんか、ごめんな?

俺は、ちらりと横のシルナを見た。

「…」

そのキュレムとルイーシュを指導した張本人のシルナは、遠い目をして、女性から視線を逸らしていた。

うん。気持ちは分かる。

「挙げ句、こんな風に砂をかけて去るような真似をして…」

イライラ。

盛大に砂をぶち撒けていったな、キュレム達。

「えーと…。随分と、キュレムとルイーシュ…って人に詳しいようだが…」

「私、キュレム・エフェメラルの見習い魔導師だったんです」

「えっ」

見習い魔導師…。

スパイ任務から戻ってきたキュレムが教えてくれた。

キルディリア魔王国の上級魔導師には、一人ずつ、見習い魔導師がつくのだと。

ってことは…この女性は。

「えぇと…差し支えなければ、名前…」

「あ、すみません…。申し遅れました、私はブラマンジュと申します」

やっぱり。

キュレムから話を聞いていた通りだ。

自分には、若い女の子の見習い魔導師がついていたと。

その子の名前は、ブラマンジュというのだと…。

ってことは、この女性が…。

「そうだったんだ…」

シルナもびっくり。

こんなところで会うとは…。運命の導きか、神の気まぐれという奴だろうか。

「絶対に許さない…。キュレム・エフェメラルも…。あんなデマを真に受けて、反乱を起こした『青カード』共も…」

「…」

ブラマンジュは、憎しみを込めた口調で呟いた。

…めっちゃ恨まれてるな、キュレム。

でもな、キュレムは悪くないんだ。

キュレムをスパイとしてキルディリア魔王国に送り込んだのは、俺達だから。

キュレムは、その役目を引き受けてくれただけだから。

恨むなら、キュレムじゃなくて俺やシルナを恨んでくれ。

…と、言いたいところだが。

この憎しみ具合じゃ、俺達がルーデュニア聖王国から来た魔導師だと伝えたら、余計拗れたことになりそうだ。

ブラマンジュにとってシルナは、憎いキュレムの上司みたいなものだからな。

正体を明かすのは、やめた方がい、

「…ところで、あなた達は」

「ひぇっ?」

「アーリヤット人の魔導師ですか?こんなところで何をやってるんです?」

それはそれとして。

ブラマンジュは、怪訝そうな顔で俺とシルナに尋ねてきた。

やべぇ。