神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

つまり、ルーデュニア聖王国出身の大隊長達は、全員戦力外なんだな。

「…そういうことなら、俺が力を貸そう」

まず真っ先に立候補したのは、無闇だった。

…無闇は、『死火』という稀有な魔導書の守り人として、随分と波に揉まれて生きてきたらしいからな。

俺も、詳しいことは聞かないし、本人が話さない限り、知りたいとも思わないが。

それから。

「私も、力になれると思います」

こちらもまた、荒波に揉まれて生きてきたクュルナ。

「そうか…。助かるよ、クュルナ」

羽久が安堵と感謝の言葉を告げると、

「い、いえ…。大したことでは…」

途端に、もごもごと戸惑い気味のクュルナである。

良かったな。

…それじゃあ。

「俺も行くよ」

無闇とクュルナが行くなら、俺も黙って指を咥えてる訳にはいかんよな。

一応、俺も…戦争ってものが何なのか、知っている。

だったら…力になれるはずだ。

「…すみません。僕は戦争の経験は…」

「俺も…戦争は経験してないな。ずっと逃げ隠れしながら生きてきたし…」

エリュティアと吐月が、残念そうに言った。

シュニィやアトラスと同じく、この二人も戦争の経験はないらしい。

エリュティアはともかく、吐月の方は、ある意味で戦争よりも過酷な人生を生きてきたそうだがな。

「大丈夫だ、俺も経験ないから。温室育ちですまんね」

「元はと言えば、俺達が撒いた種でもあるんですけどねぇ」

ルーデュニア人のキュレムとルイーシュにも、勿論戦争経験はない。

それは仕方ない。お前らの責任ではないから安心しろ。

…ってことは。

「今回ナジュの指揮下に参加出来るのは、俺と無闇とクュルナの三人、」

「私も行く」

「は?」

片手を上げて立候補したのは、ベリクリーデだった。