すると、シュニィが先手を打つように。
「…アーリヤット皇国とキルディリア魔王国のことですか?」
ナジュに、そう尋ねた。
賢明なシュニィは、突然呼び出された時点で、大体その内容を察していたようだ。
「はい、そうです。…えぇ、あなたの想像通りです」
「そうですか…。やはり…」
俯くシュニィ。
…おい。二人だけで話を完結させないでくれ。
アーリヤット皇国と…キルディリア魔王国?
キュレムとルイーシュから、話を聞くところによると。
ナツキ皇王の生存を知ったアーリヤット皇国民が、魔導師・非魔導師の垣根を越えて手を組み。
各地で反乱を起こして、ナツキ皇王の身柄の返還を要求している…とのことだが。
「その事態に収拾をつける為に、キルディリア魔王国軍が動きました」
「っ、何?」
俺の心の中を、いち早く読んだナジュが説明した。
「キルディリアに拘禁しているナツキ様を人質に取り、アーリヤット皇国民を武力で弾圧するつもりのようです」
「…あの女…」
イシュメル女王、とか言ったか。
あの女は、魔法というものを、武力としてしか見ていないのか。
ご自慢の魔法は、他者を抑えつける為だけに使うものなのか。
「このままじゃ、再びアーリヤット皇国とキルディリア魔王国との戦争が始まってしまう。…しかも今度は、無関係の国民を巻き込んだ戦争が」
と、シルナ・エインリーが言った。
珍しく、至極真面目な顔だった。
それはもう…。…武力による弾圧、だな。
無分別な…人と人との戦争。
そんな惨劇が…今、まさに始まろうとしている。
「フユリ様は、それを止めて欲しいって言ってるんだ」
今度は、羽久・グラスフィアが口を開いた。
「これ以上、犠牲を出さない為に…。それに、ひいては、ルーデュニア聖王国を守る為にも」
「…そうだな…」
アーリヤット皇国が落ちれば、必然的に、次はルーデュニア聖王国だ。
ルーデュニア聖王国の国土を守る為にも…アーリヤット皇国という、「防波堤」は必要だ。
という実利も兼ねているが、実際のところ、フユリ女王は。
これ以上、アーリヤット皇国の民が傷つくことに耐えられない。
そして…兄の命を人質に取られていることに耐えられない。
これが本音だろう。
…ったく、誰も彼も…この国の連中は優し過ぎるんだよ。
「…全面的に同意しますよ、ジュリスさん」
俺の心を読んだナジュが、小さく呟くように言った。
そうかい。
「それから、ついでに…キュレムさんとルイーシュさんも」
「あ?何?」
「『めんどくさいなー。よその国のことだし、わざわざ首を突っ込む必要ないんじゃね?』と思ってるところ、申し訳ないんですが…」
「おい。余計なことまで言わなくて良いんだって」
そんなこと思ってたのかよ。
まぁ…その意見も分かるけども。
「他人事じゃないんですよ。イシュメル女王はルーデュニア聖王国に、スパイとして潜入していた、お二人の身柄の引き渡しを要求してるんです」
「ひぇっ?」
「キルディリア魔王国に引き渡されたら…お二人共きっと、豚箱にイン…どころか、公開処刑モノですね」
「マジかよ!」
これは他人事ではないと知って、青ざめるキュレム。
と、
「まぁ、あの女王ならやりかねませんね」
意外に冷静なルイーシュ。
スパイとして潜入した時点で、その覚悟はしていたんだろう?
「やべぇ、俺…。イシュメル女王に殺される。打ち首だ、車裂きだ、鉄の処女だ…!」
頭を抱え、自分が処刑されるところを想像しているらしいキュレム。
…えーと。大丈夫か?
「…??ジュリス、てつのしょじょ、って何?」
「…お前は知らなくて良いことだよ、ベリクリーデ…」
首を傾げるんじゃない。
「…アーリヤット皇国とキルディリア魔王国のことですか?」
ナジュに、そう尋ねた。
賢明なシュニィは、突然呼び出された時点で、大体その内容を察していたようだ。
「はい、そうです。…えぇ、あなたの想像通りです」
「そうですか…。やはり…」
俯くシュニィ。
…おい。二人だけで話を完結させないでくれ。
アーリヤット皇国と…キルディリア魔王国?
キュレムとルイーシュから、話を聞くところによると。
ナツキ皇王の生存を知ったアーリヤット皇国民が、魔導師・非魔導師の垣根を越えて手を組み。
各地で反乱を起こして、ナツキ皇王の身柄の返還を要求している…とのことだが。
「その事態に収拾をつける為に、キルディリア魔王国軍が動きました」
「っ、何?」
俺の心の中を、いち早く読んだナジュが説明した。
「キルディリアに拘禁しているナツキ様を人質に取り、アーリヤット皇国民を武力で弾圧するつもりのようです」
「…あの女…」
イシュメル女王、とか言ったか。
あの女は、魔法というものを、武力としてしか見ていないのか。
ご自慢の魔法は、他者を抑えつける為だけに使うものなのか。
「このままじゃ、再びアーリヤット皇国とキルディリア魔王国との戦争が始まってしまう。…しかも今度は、無関係の国民を巻き込んだ戦争が」
と、シルナ・エインリーが言った。
珍しく、至極真面目な顔だった。
それはもう…。…武力による弾圧、だな。
無分別な…人と人との戦争。
そんな惨劇が…今、まさに始まろうとしている。
「フユリ様は、それを止めて欲しいって言ってるんだ」
今度は、羽久・グラスフィアが口を開いた。
「これ以上、犠牲を出さない為に…。それに、ひいては、ルーデュニア聖王国を守る為にも」
「…そうだな…」
アーリヤット皇国が落ちれば、必然的に、次はルーデュニア聖王国だ。
ルーデュニア聖王国の国土を守る為にも…アーリヤット皇国という、「防波堤」は必要だ。
という実利も兼ねているが、実際のところ、フユリ女王は。
これ以上、アーリヤット皇国の民が傷つくことに耐えられない。
そして…兄の命を人質に取られていることに耐えられない。
これが本音だろう。
…ったく、誰も彼も…この国の連中は優し過ぎるんだよ。
「…全面的に同意しますよ、ジュリスさん」
俺の心を読んだナジュが、小さく呟くように言った。
そうかい。
「それから、ついでに…キュレムさんとルイーシュさんも」
「あ?何?」
「『めんどくさいなー。よその国のことだし、わざわざ首を突っ込む必要ないんじゃね?』と思ってるところ、申し訳ないんですが…」
「おい。余計なことまで言わなくて良いんだって」
そんなこと思ってたのかよ。
まぁ…その意見も分かるけども。
「他人事じゃないんですよ。イシュメル女王はルーデュニア聖王国に、スパイとして潜入していた、お二人の身柄の引き渡しを要求してるんです」
「ひぇっ?」
「キルディリア魔王国に引き渡されたら…お二人共きっと、豚箱にイン…どころか、公開処刑モノですね」
「マジかよ!」
これは他人事ではないと知って、青ざめるキュレム。
と、
「まぁ、あの女王ならやりかねませんね」
意外に冷静なルイーシュ。
スパイとして潜入した時点で、その覚悟はしていたんだろう?
「やべぇ、俺…。イシュメル女王に殺される。打ち首だ、車裂きだ、鉄の処女だ…!」
頭を抱え、自分が処刑されるところを想像しているらしいキュレム。
…えーと。大丈夫か?
「…??ジュリス、てつのしょじょ、って何?」
「…お前は知らなくて良いことだよ、ベリクリーデ…」
首を傾げるんじゃない。



