神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

ーーーーー…深夜。

俺はいつも通り、自室のベッドで眠っていた。

そこに、当直だった部下の一人が駆け込んできた。

「ジュリス隊長!」

「ふぁっ…!?」

眠っていたところを突然起こされて、俺は奇怪な声を出して飛び起きた。

な、な、何だ?

「学院長が…イーニシュフェルト魔導学院の学院長が来て…!大隊長の皆さんに、今すぐに集まって欲しいと…!」

「…!」

学院長…ってことは、シルナ・エインリーだな?

何事があったのか知らないが。

こんな深夜に、突然シルナ・エインリーがわざわざやって来たってことは。

まず間違いなく、緊急事態が起きたということだ。

俺は急いでベッドから降り、素早く制服の上着を身に着けた。

「分かった、すぐ行く!」

「はい、お願いしま…。…あれ?ベリクリーデ隊長は?」

「は?」

なんでベリクリーデ?

当直の部下は、ベリクリーデの姿を探して、部屋の中をきょろきょろ。

「…?ご一緒じゃなかったんですか?」

「…いや、一緒な訳ないだろ?」

ベリクリーデはベリクリーデの部屋にいるだろ。当然。

「え?でも、ベリクリーデ隊長はいつも、ジュリス隊長と同衾してるって…」

「は!?」

誰だよ?そんな噂を流したのは?

ここに連れてこい。「適当なこと言ってんじゃねぇ!」って、一発ぶん殴ってやるから。

「夜勤の度にキュレム隊長とルイーシュ隊長が、『あいつら、今頃お楽しみ中だぜ』って…」

「あ、んのやろぉぉ…!」

…適当言いやがって。

誰が誰とお楽しみだって?

何も楽しんじゃねーよ。

お前も。キュレムのタチの悪い冗談を真に受けるな。

「今日はご一緒じゃなかったんですね」

「今日は、じゃない。いつも一緒ではねーよ。真に受けるな」

「えっ?」

なんでそんなびっくりしてるんだ?なぁ。

あぁ、もう良い。

頭痛くなってきた。

とりあえず、キュレムとルイーシュのアホは、後でぶん殴るとして。

「ベリクリーデは俺が連れて行くから。他の隊長達に知らせに行ってくれ」

緊急事態なんだろ?

こんなところで、油売ってる場合じゃないはずだ。

「あ、は、はい!」

部下は慌てて頷いて、踵を返し。

他の大隊長達を起こしに、すっ飛んでいった。

さて、それじゃ俺は、ベリクリーデを呼びに行くとしよう。