そして、それは二人の元暗殺者達にしても同じ。
この二人もまた、戦争に参加した経験はないと言っていた。
「暗殺」の現場では、超一流のプロだが。
「戦場」においては、二人共新入社員だ。
暗殺と戦争は、似て非なるもの。…いや、全くの別物と言っても過言ではない。
残念ながら僕には、右も左も分からない新入社員を庇いながら戦うほどの余裕は、ありませんから。
だから僕は今回、「戦争の経験」を重視してた人選を行っている。
経験がない者は、まず戦場には連れて行かない。
イレースさんは学院に待機、天音さんは後方支援。
それから、シルナ学院長と羽久さんは別働隊。
「…ご理解いただけましたか?」
「…。あぁ、分かった」
羽久さんは、険しい顔で頷いた。
納得が行かない、って顔をしてるが。
でも、彼の心の中を見れば分かる。
彼が本当に納得していないのは、僕の決断じゃなくて、自分自身のことだ。
「こんな時に、平和ボケした自分じゃ役に立てない」と、自分自身を責めている。
…それは違いますよ、羽久さん。
戦争の経験なんて…ない方が、ずっと幸せなんです。
「今回の指揮官はナジュ、お前なんだ…。だから、お前の指示に従うよ」
「ありがとうございます」
「でも…別働隊って、何をすれば良いんだ?」
そうですね。聞かれると思ってました。
「学院長、羽久さん。あなた方二人は、イシュメル女王に会いに行ってください」
「え?」
僕達はこれから、戦争をしに行く訳だが。
でも、好き好んで戦争したい訳じゃない。
ましてや、それが長引くとなれば…その先に待っているのは、血みどろの地獄だ。
僕はその地獄の景色を、嫌と言うほどよく知っている。
…あんなものを、もう二度と見たくはない。
だから…もっと、根本的な解決手段を模索したいのだ。
「イシュメル女王と交渉してください。アーリヤット皇国と講和を結び、これ以上の被害を出さないように…。平和の仲介をして欲しいんです」
ルーデュニア聖王国の代表として、和平の仲介を申し出て欲しい。
イシュメル女王とナツキ皇王、この二人の手を、力ずくで繋いで欲しい。
「それ、聞く耳持ってくれるの?一度失敗してるのに」
と、令月さん。
手厳しいですね。
以前、聖魔騎士団のシュニィさんが、和平の交渉に行った時。
あの時は、イシュメル女王は聞く耳を持たず、つっけんどんに追い返したらしいですね。
「まぁ、頑固な女王様のようですから、聞いてくれないかもしれませんが…。それでも、学院長の言うことなら、聞くだけなら聞いてくれるかもしれないでしょう?」
「それはどうかな」
「やってみないよりはマシです。和平の道を模索出来る手段が残っているなら、例え可能性が皆無に思えても、試してみるべきです。…戦争なんて、誰も望んでいないんですから」
「…」
…おっと。ちょっと湿っぽいこと言っちゃいましたね。
「…ナジュ君…。…大丈夫?」
案の定、天音さんが心配して、声をかけてきた。
「大丈夫ですよ、天音さん」
僕自身が、通ってきた道ですからね。
こんな時くらい…ちゃんと、しっかりしますよ。
この二人もまた、戦争に参加した経験はないと言っていた。
「暗殺」の現場では、超一流のプロだが。
「戦場」においては、二人共新入社員だ。
暗殺と戦争は、似て非なるもの。…いや、全くの別物と言っても過言ではない。
残念ながら僕には、右も左も分からない新入社員を庇いながら戦うほどの余裕は、ありませんから。
だから僕は今回、「戦争の経験」を重視してた人選を行っている。
経験がない者は、まず戦場には連れて行かない。
イレースさんは学院に待機、天音さんは後方支援。
それから、シルナ学院長と羽久さんは別働隊。
「…ご理解いただけましたか?」
「…。あぁ、分かった」
羽久さんは、険しい顔で頷いた。
納得が行かない、って顔をしてるが。
でも、彼の心の中を見れば分かる。
彼が本当に納得していないのは、僕の決断じゃなくて、自分自身のことだ。
「こんな時に、平和ボケした自分じゃ役に立てない」と、自分自身を責めている。
…それは違いますよ、羽久さん。
戦争の経験なんて…ない方が、ずっと幸せなんです。
「今回の指揮官はナジュ、お前なんだ…。だから、お前の指示に従うよ」
「ありがとうございます」
「でも…別働隊って、何をすれば良いんだ?」
そうですね。聞かれると思ってました。
「学院長、羽久さん。あなた方二人は、イシュメル女王に会いに行ってください」
「え?」
僕達はこれから、戦争をしに行く訳だが。
でも、好き好んで戦争したい訳じゃない。
ましてや、それが長引くとなれば…その先に待っているのは、血みどろの地獄だ。
僕はその地獄の景色を、嫌と言うほどよく知っている。
…あんなものを、もう二度と見たくはない。
だから…もっと、根本的な解決手段を模索したいのだ。
「イシュメル女王と交渉してください。アーリヤット皇国と講和を結び、これ以上の被害を出さないように…。平和の仲介をして欲しいんです」
ルーデュニア聖王国の代表として、和平の仲介を申し出て欲しい。
イシュメル女王とナツキ皇王、この二人の手を、力ずくで繋いで欲しい。
「それ、聞く耳持ってくれるの?一度失敗してるのに」
と、令月さん。
手厳しいですね。
以前、聖魔騎士団のシュニィさんが、和平の交渉に行った時。
あの時は、イシュメル女王は聞く耳を持たず、つっけんどんに追い返したらしいですね。
「まぁ、頑固な女王様のようですから、聞いてくれないかもしれませんが…。それでも、学院長の言うことなら、聞くだけなら聞いてくれるかもしれないでしょう?」
「それはどうかな」
「やってみないよりはマシです。和平の道を模索出来る手段が残っているなら、例え可能性が皆無に思えても、試してみるべきです。…戦争なんて、誰も望んでいないんですから」
「…」
…おっと。ちょっと湿っぽいこと言っちゃいましたね。
「…ナジュ君…。…大丈夫?」
案の定、天音さんが心配して、声をかけてきた。
「大丈夫ですよ、天音さん」
僕自身が、通ってきた道ですからね。
こんな時くらい…ちゃんと、しっかりしますよ。



