すると。
半泣きのシルナを、不憫に思ってくれたのか。
「あの…。そこまでに…」
一部始終を見ていた天音が、勇敢にも。
おずおずと、イレースに意見をした。
勇気あるな、天音。
「学院長先生の言う通り…心配や緊張を解く為には、確かに甘いものを食べるのが効果的だから…」
じろっ、とイレースに睨まれても、めげずにシルナを庇おうとしている。
「別に、食べるなと言っている訳ではありません。糖分補給したいなら、わざわざチョコレートである必要はないでしょう。角砂糖でも舐めてなさい」
角砂糖って。
それはコーヒーとか、飲み物に入れるものだろうに。
「経費の無駄遣いです」
「そ、そんな!必要経費だよ、イレースちゃん。必要経費」
「何が必要経費ですか。あなたのチョコ代だけで、月にいくらかかってるのか、知ってるんですか?これ以上、私の頭痛の種を増やさないでもらえます?」
イレースの嫌味が止まらない。
ここぞとばかりに、青年の恨みを果たすように。
積もり積もった不平不満を、シルナにぶつけまくっている。
普段から、ストレス溜めてたんだなって。
なんか申し訳なくなってくるよ。イレースに。
「今月は、もう余分なチョコは買ってないでしょうね?」
「えっ、えっ?」
イレース裁判官に睨まれ、思わず目が泳いでいるシルナ。
…言えないよな?シルナ。
たった今、そこに…床に落とした、そのチョコレートこそ。
正しく、「余分なチョコ」である。
目を泳がせるシルナを、イレースはぎろっ、と睨んだ。
さながら、蛇に睨まれた蛙である。
「…まさか、また買ったんじゃないでしょうね?」
「ち、ちが。こ、これは、その、そう…。…も、もらいものなんだ!」
なんとか、イレースの怒りを逸らそうと。
シルナは、口から出任せ作戦を敢行した。
問い詰められて、追い詰められて、咄嗟に嘘をついてしまう。
シルナの悪癖だと思うぞ。
素直に認めた方が、まだ…。…いや。
相手がイレースの場合、素直に認めようと、言い訳しようと、どっちみち怒られるんだけどな。
「知り合いの…知人の…友達にもらったものなんだよ!」
…遠くね?
すると。
「成程、成程。そうでしたか。学院長」
「ひぇっ、ナジュ君!?」
待ってました、とばかりに。
ナジュが、ひょいっ、と姿を現した。
「『今月のチョコ予算はもうないけど、でも見るだけなら…』と、行きつけのチョコレート専門店を訪ねて、そこで『期間限定旬のフルーツチョコ詰め合わせセット』を発見したんですね」
「そ、そ、そ、それは!」
焦りまくるシルナ。
…に、ナジュは楽しそうに話し続けた。
「そこで、どうしてもそのチョコが欲しくなって、『イレースちゃんに怒られるかな…?…バレなきゃ大丈夫だよね!』と、こっそり来月分の予算から前借りをしてこうにゅ、」
「いやぁぁぁ!言わないでぇぇぇ!」
「もごもごもご」
シルナは慌てて、ナジュの口を塞ぐも。
…最早、時既に遅し、である。
息をするように人の心を読む、読心魔法使いのナジュに、隠し事は通用しない。
こうして、シルナの悪事は、見事に白日のもとに晒されたのであった。
悪は滅びるさだめなんだなーって。
半泣きのシルナを、不憫に思ってくれたのか。
「あの…。そこまでに…」
一部始終を見ていた天音が、勇敢にも。
おずおずと、イレースに意見をした。
勇気あるな、天音。
「学院長先生の言う通り…心配や緊張を解く為には、確かに甘いものを食べるのが効果的だから…」
じろっ、とイレースに睨まれても、めげずにシルナを庇おうとしている。
「別に、食べるなと言っている訳ではありません。糖分補給したいなら、わざわざチョコレートである必要はないでしょう。角砂糖でも舐めてなさい」
角砂糖って。
それはコーヒーとか、飲み物に入れるものだろうに。
「経費の無駄遣いです」
「そ、そんな!必要経費だよ、イレースちゃん。必要経費」
「何が必要経費ですか。あなたのチョコ代だけで、月にいくらかかってるのか、知ってるんですか?これ以上、私の頭痛の種を増やさないでもらえます?」
イレースの嫌味が止まらない。
ここぞとばかりに、青年の恨みを果たすように。
積もり積もった不平不満を、シルナにぶつけまくっている。
普段から、ストレス溜めてたんだなって。
なんか申し訳なくなってくるよ。イレースに。
「今月は、もう余分なチョコは買ってないでしょうね?」
「えっ、えっ?」
イレース裁判官に睨まれ、思わず目が泳いでいるシルナ。
…言えないよな?シルナ。
たった今、そこに…床に落とした、そのチョコレートこそ。
正しく、「余分なチョコ」である。
目を泳がせるシルナを、イレースはぎろっ、と睨んだ。
さながら、蛇に睨まれた蛙である。
「…まさか、また買ったんじゃないでしょうね?」
「ち、ちが。こ、これは、その、そう…。…も、もらいものなんだ!」
なんとか、イレースの怒りを逸らそうと。
シルナは、口から出任せ作戦を敢行した。
問い詰められて、追い詰められて、咄嗟に嘘をついてしまう。
シルナの悪癖だと思うぞ。
素直に認めた方が、まだ…。…いや。
相手がイレースの場合、素直に認めようと、言い訳しようと、どっちみち怒られるんだけどな。
「知り合いの…知人の…友達にもらったものなんだよ!」
…遠くね?
すると。
「成程、成程。そうでしたか。学院長」
「ひぇっ、ナジュ君!?」
待ってました、とばかりに。
ナジュが、ひょいっ、と姿を現した。
「『今月のチョコ予算はもうないけど、でも見るだけなら…』と、行きつけのチョコレート専門店を訪ねて、そこで『期間限定旬のフルーツチョコ詰め合わせセット』を発見したんですね」
「そ、そ、そ、それは!」
焦りまくるシルナ。
…に、ナジュは楽しそうに話し続けた。
「そこで、どうしてもそのチョコが欲しくなって、『イレースちゃんに怒られるかな…?…バレなきゃ大丈夫だよね!』と、こっそり来月分の予算から前借りをしてこうにゅ、」
「いやぁぁぁ!言わないでぇぇぇ!」
「もごもごもご」
シルナは慌てて、ナジュの口を塞ぐも。
…最早、時既に遅し、である。
息をするように人の心を読む、読心魔法使いのナジュに、隠し事は通用しない。
こうして、シルナの悪事は、見事に白日のもとに晒されたのであった。
悪は滅びるさだめなんだなーって。



