神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「お、おまっ…え、ら…」

さすがの俺も、これには一瞬、言葉を失った。

…何処から生えたんだ。お前らは。

「はぁ〜、長い旅路だった…。一体何回経由したよ?」

「さぁ…。ともあれ疲れましたよ、俺は」

心底うんざりした顔で、ルイーシュはそう言い。

そして、キュレムの背中に、ぐったりともたれかかった。

「ちょ、何だよお前。重い」

「もう一歩も動きたくなーい…」

「それは分かってるけど。でも、そこで寝るつもりかよ!?」

「嫌なら、ベッドで運んでくだ…さ…。…zzz…」

「マジで寝たのかよ!?」

…速いな。

一瞬で寝落ちしてんじゃん。ルイーシュ。

しかも、よりによってキュレムの背中で。

「えぇ〜…。もう、これどうすんだよ…。俺が運ばなきゃいけないパターン…!?」

「…キュレム…」

「ったく甘え過ぎだろ。でも、まぁここまで運んでくれたのはルイーシュだからな…。今回は、いや、今回も、大目に見てやるとするか…」

「キュレム。一人で喋ってないで、俺達の存在に気づけ」

「は?」

とんとん、と後ろからキュレムの肩を叩くと。

キュレムは、きょとんとしてこちらを振り向き。

…そして。 

目を真ん丸にして、俺と、俺の横にいるベリクリーデを何度も、順番に見渡してから…。

「…。…おぉ!ジュリスとベリクリーデちゃんじゃないか!今気づいたわ。おひさ!」

…おひさ、じゃねぇんだよ。

突然、目の前にお前らが現れて仰天した、こちらの身にもなってみろ。

「どうした、二人セットで」

「どうした、はこっちの台詞だよ」

お前らこそ、なんでこんなところにいるんだ。

「それに、二人じゃないぞ。ここにクロティルダも…。…あれ?」

「?」

いつの間にか。

ついさっきまで、そこにいたはずのクロティルダの姿が消えていた。

…あいつ、何処に行ったんだ?

天界に帰ったのか?…もう?

なんか言いかけてなかったか?ベルー…。…なんだっけ。

言いかけて、途中で帰んなよ。

一応、ここまで連れて帰ってくれたことに感謝してるって、言い損なったじゃないか。

…はぁ、まぁ良いや。

「キュレム、ルイーシュ。お前ら、アーリヤット皇国領に派遣されてたんじゃなかったのか?」

「うん、ついさっきまでな」

ルイーシュをおんぶしたまま、キュレムが答えた。

「どうしてここにいるんだ?」

「逃げてきた」

逃げてきた?

「正体を知られたから、もうスパイ活動は終わりだ。今日からはまた、ルーデュニア聖王国のキュレムに戻るよ」

そうか。

それは、別に良いんだけど。

ちょっと…色々と説明して欲しいところだな?

「つーか、ベリクリーデちゃん、無事に帰ってこられたんだな」

キュレムが、俺の隣のベリクリーデに言った。

「うん。ジュリスとね、クロティルダがね、助けに来てくれたの」

「そうかそうかー!白馬の王子様だな」

「うん。ジュリスは私の王子様なの」

「見せつけてくれんじゃないの。え?このリア充共がよ」

…何言ってんの?キュレムは。

ベリクリーデも。適当なこと言うんじゃありません。

「そんなことは良いから、キュレム。何があったのか説明してくれよ」

「せっかちな王子様だな…。分かった分かった、話すよ」

誰が王子様だ。