一度決起が起きれば、それを止める手段は、今のキルディリア総督府にはない。
キルディリアの支配が、まだ完全には及んでいない…今だからこそ出来る方法だ。
「…なんてことを…」
絶句して、窓の外を呆然と見つめるブラマンジュちゃん。
…すまんね。
別に、絶望させる気はなかったんだが。
…でも、いずれはこうなる運命だったのだ。
何せ俺達は…最初から。
君達の味方、ではなかったから。
いつか、何らかの形で、決別の時が来ることは分かっていた。
それがこんな…派手な方法になるとは思わなかったがな。
「どうして…!どうして、こんな…!」
「…どうしてか、なんて。あなた達の方がよく分かってるんじゃないですか?」
ルイーシュが、杖をペンみたいに、くるくると回しながら言った。
杖でペン回ししなさんな。
「俺のこともキュレムさんのことも、ハナから信用していなかったんでしょう?」
「…そ、んな…ことは、」
「良いですよ、建て前は。どうせそれも、イシュメル女王の命令でしょう?…ルーデュニアからの怪しい亡命者を監視しろ、って」
「…!」
ルイーシュの鋭い指摘に、目を見開く二人の見習い魔導師。
…やっぱりな。
そうだったんだ。
…まぁ、そりゃそうだよな。
信用してなかったのは、こちらも同じなのだから。
これに関しては…お互い様、って奴だ。
「あなた方のご想像通りです。俺とキュレムさんは最初から、ルーデュニア聖王国を裏切ってはいません。イーニシュフェルト魔導学院の学院長から依頼されて、キルディリア魔王国に潜入したスパイです」
…おいおい、ルイーシュ。
盛大にネタばらししちゃってどーすんの。
もう良いけどさ。どうせバレちゃってるから。
「…!…スパイ…」
「…やはり…そうだったんですね」
「…あぁ、そうだ。騙して悪かったね」
…なんて言ったところで、怒りが収まるはずもないが。
でもさ、君等の方も、俺達を騙したじゃん?
だから、これもお互い様。
恨みっこなしにしようぜ。
しかし。
「…許せない」
お?
ブラマンジュちゃんは、憎しみのこもった眼差しで俺達を睨んだ。
「私達のことを…そして、キルディリア魔導師の誇りを穢すような真似を…!」
「…」
…それは、まぁ、なんつーか。
…申し訳ない、と思わなくもないけど。
誇りって言われてもなぁ…。考えたこともないからなぁ…。
…誇り(笑)。
「…魔導師かそうじゃないかで、人を差別するような奴らに…ハナから誇りなんてあるもんか」
あんたさんらの誇りは、ただの虚栄だ。
ちょっとばかり上手く魔法が使える…ってだけで、思い上がって。虚栄に縋って。
それが誇りだと?…馬鹿にするな。
他者に見せつけ、下らない自尊心を満足させる為じゃない。
俺達はいつだって…大切な何かを守る為に、魔法を使っているのだ。
だから。
例えキルディリア魔王国で、上級魔導師様と崇められ、王族のような暮らしを保証されたとしても。
俺は絶対、そんなことは願い下げだね。
キルディリアの支配が、まだ完全には及んでいない…今だからこそ出来る方法だ。
「…なんてことを…」
絶句して、窓の外を呆然と見つめるブラマンジュちゃん。
…すまんね。
別に、絶望させる気はなかったんだが。
…でも、いずれはこうなる運命だったのだ。
何せ俺達は…最初から。
君達の味方、ではなかったから。
いつか、何らかの形で、決別の時が来ることは分かっていた。
それがこんな…派手な方法になるとは思わなかったがな。
「どうして…!どうして、こんな…!」
「…どうしてか、なんて。あなた達の方がよく分かってるんじゃないですか?」
ルイーシュが、杖をペンみたいに、くるくると回しながら言った。
杖でペン回ししなさんな。
「俺のこともキュレムさんのことも、ハナから信用していなかったんでしょう?」
「…そ、んな…ことは、」
「良いですよ、建て前は。どうせそれも、イシュメル女王の命令でしょう?…ルーデュニアからの怪しい亡命者を監視しろ、って」
「…!」
ルイーシュの鋭い指摘に、目を見開く二人の見習い魔導師。
…やっぱりな。
そうだったんだ。
…まぁ、そりゃそうだよな。
信用してなかったのは、こちらも同じなのだから。
これに関しては…お互い様、って奴だ。
「あなた方のご想像通りです。俺とキュレムさんは最初から、ルーデュニア聖王国を裏切ってはいません。イーニシュフェルト魔導学院の学院長から依頼されて、キルディリア魔王国に潜入したスパイです」
…おいおい、ルイーシュ。
盛大にネタばらししちゃってどーすんの。
もう良いけどさ。どうせバレちゃってるから。
「…!…スパイ…」
「…やはり…そうだったんですね」
「…あぁ、そうだ。騙して悪かったね」
…なんて言ったところで、怒りが収まるはずもないが。
でもさ、君等の方も、俺達を騙したじゃん?
だから、これもお互い様。
恨みっこなしにしようぜ。
しかし。
「…許せない」
お?
ブラマンジュちゃんは、憎しみのこもった眼差しで俺達を睨んだ。
「私達のことを…そして、キルディリア魔導師の誇りを穢すような真似を…!」
「…」
…それは、まぁ、なんつーか。
…申し訳ない、と思わなくもないけど。
誇りって言われてもなぁ…。考えたこともないからなぁ…。
…誇り(笑)。
「…魔導師かそうじゃないかで、人を差別するような奴らに…ハナから誇りなんてあるもんか」
あんたさんらの誇りは、ただの虚栄だ。
ちょっとばかり上手く魔法が使える…ってだけで、思い上がって。虚栄に縋って。
それが誇りだと?…馬鹿にするな。
他者に見せつけ、下らない自尊心を満足させる為じゃない。
俺達はいつだって…大切な何かを守る為に、魔法を使っているのだ。
だから。
例えキルディリア魔王国で、上級魔導師様と崇められ、王族のような暮らしを保証されたとしても。
俺は絶対、そんなことは願い下げだね。



