これが、俺の考えた「ナツキ様の生存をアーリヤット皇国の民に伝える方法」だった。
ナツキ様生存を知らせる、大量のビラを(手書きで)用意して。
それを、ルイーシュの空間魔法で転移させ。
アーリヤット領の上空から、はらはらと、雨のように降らせる。
すると、街を歩いていた人は勿論、家の中に引きこもっていた人々も。
窓の外に、はらはら、ひらひらと落ちる白い紙切れを、何事かと思って手に取り、あるいは拾い上げる。
そしてそこには、アーリヤット皇王のナツキ様が生きている、という情報が記されている。
こうすれば、アーリヤット皇国領にいる、ほぼすべての国民達に、真実が伝わる。
あまりにも古典的で、あまりにも馬鹿馬鹿しい方法。
だけど…一番確実に、真実を知らせる手段だ。
やってやったぜ。
見たか。俺の意地。
「なっ…!なんということを…!」
ブラマンジュちゃんは窓に駆け寄り、空から舞い落ちる大量のビラを、唖然として見つめていた。
総督府の建物の外では、早速、道を歩いていた人々が。
舞い落ちてきたビラを、次々に手に取っていた。
それを見て、エリトール君は窓から身を乗り出して、外の人々に向かって叫んだ。血相を変えて。
「待て、それを拾うな。読むな!」
…気持ちは分かるけど。
残念ながら、それは無理な相談ってもんだ。
空からビラが舞い落ちてきたら、誰だって拾うだろうし、誰だって読むだろうよ。
それは自然な行為であって、止めようって考え自体が間違ってる。
「こ、こんな…こんなことしても無駄だ。誰も信じるはずが…!」
「…それはどうですかね」
エリトール君の訴えを、ルイーシュがばっさりと切り捨てた。
「え…?」
「真実かどうかなんて、彼らにとっては重要ではないんです。燻っている怒りを、不満を、爆発させるきっかけになるなら、それで」
…その通りだ。
俺は『ナツキ様は生きている』とビラに書いた。
だけど、その根拠はまったく記していない。
ナツキ様が生きているのは確かだが、それをアーリヤット皇国民達に証明する術はないのだ。
だから、こんなビラが配られても。
「はったりだ」、「根拠がない」と吐き捨てられたら、それでおしまい。
…でも、情報の真偽を示すことは、それほど重要ではない。
ただ、多くのアーリヤット皇国民の間に。
『ナツキ様が生きているらしい』という噂を、流布させるだけで良い。
そうすれば、そんな不確かな情報でも、立ち上がるきっかけになる。
キルディリア魔王国が、アーリヤット領を征服してからというもの。
国民達がこれまで溜め込んでいた、不満や怒りといった感情を爆発させる…そのきっかけに。
そしてきっかけさえあれば、アーリヤット民達は決起する。
キルディリアの支配になど屈してたまるものか。
この噂が本当なら、ナツキ様を返せ。
我らの土地を、国を返せ…と。
魔導師とか、非魔導師とか関係なく。
自分達の祖国を、取り戻す為に。
ナツキ様生存を知らせる、大量のビラを(手書きで)用意して。
それを、ルイーシュの空間魔法で転移させ。
アーリヤット領の上空から、はらはらと、雨のように降らせる。
すると、街を歩いていた人は勿論、家の中に引きこもっていた人々も。
窓の外に、はらはら、ひらひらと落ちる白い紙切れを、何事かと思って手に取り、あるいは拾い上げる。
そしてそこには、アーリヤット皇王のナツキ様が生きている、という情報が記されている。
こうすれば、アーリヤット皇国領にいる、ほぼすべての国民達に、真実が伝わる。
あまりにも古典的で、あまりにも馬鹿馬鹿しい方法。
だけど…一番確実に、真実を知らせる手段だ。
やってやったぜ。
見たか。俺の意地。
「なっ…!なんということを…!」
ブラマンジュちゃんは窓に駆け寄り、空から舞い落ちる大量のビラを、唖然として見つめていた。
総督府の建物の外では、早速、道を歩いていた人々が。
舞い落ちてきたビラを、次々に手に取っていた。
それを見て、エリトール君は窓から身を乗り出して、外の人々に向かって叫んだ。血相を変えて。
「待て、それを拾うな。読むな!」
…気持ちは分かるけど。
残念ながら、それは無理な相談ってもんだ。
空からビラが舞い落ちてきたら、誰だって拾うだろうし、誰だって読むだろうよ。
それは自然な行為であって、止めようって考え自体が間違ってる。
「こ、こんな…こんなことしても無駄だ。誰も信じるはずが…!」
「…それはどうですかね」
エリトール君の訴えを、ルイーシュがばっさりと切り捨てた。
「え…?」
「真実かどうかなんて、彼らにとっては重要ではないんです。燻っている怒りを、不満を、爆発させるきっかけになるなら、それで」
…その通りだ。
俺は『ナツキ様は生きている』とビラに書いた。
だけど、その根拠はまったく記していない。
ナツキ様が生きているのは確かだが、それをアーリヤット皇国民達に証明する術はないのだ。
だから、こんなビラが配られても。
「はったりだ」、「根拠がない」と吐き捨てられたら、それでおしまい。
…でも、情報の真偽を示すことは、それほど重要ではない。
ただ、多くのアーリヤット皇国民の間に。
『ナツキ様が生きているらしい』という噂を、流布させるだけで良い。
そうすれば、そんな不確かな情報でも、立ち上がるきっかけになる。
キルディリア魔王国が、アーリヤット領を征服してからというもの。
国民達がこれまで溜め込んでいた、不満や怒りといった感情を爆発させる…そのきっかけに。
そしてきっかけさえあれば、アーリヤット民達は決起する。
キルディリアの支配になど屈してたまるものか。
この噂が本当なら、ナツキ様を返せ。
我らの土地を、国を返せ…と。
魔導師とか、非魔導師とか関係なく。
自分達の祖国を、取り戻す為に。



