神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

やれやれまったく、ルイーシュの悪戯好きにも困ったもんだ。

と、思いながら、自分のピザまんをもう一口齧り。

とろ〜っ、ととろけるチーズの味に、酔いしれていたその時。

「…。…ん?」

俺はようやく、とあることに気づいた。

「…?どうしました、キュレムさん」

どうしました、じゃねーよルイーシュ。

お前もツッコめよ。

「…クロッティ、お前なんでいんの!?」

「ん?」

慌ててクロティルダの方を振り向くと。

クロティルダは、食べかけのキュウリまんを、もしゃもしゃ食べているところだった。

食ってる場合かよ。

「ここ、アーリヤット領なんだぞ?なんでここにいるんだっ…!?」

「何処の領土だろうと関係ない。現世は何処でも、我ら天使の支配下にある」

あぁそう。それは結構。

でも、そういうことじゃねーんだよ。俺が言いたいのは。

「ベリクリーデちゃんの傍にいたんじゃないのか?」

いつも、ベリクリーデちゃんが呼んだら、何処からともなく現れるじゃないか。

あのストーカー天使め、とジュリスがよく毒づいてる。

今カレVS元カレだもんな。そりゃ敵対するわ。

…って、そんなことは良いんだよ。

なんで君、ここにいるんだ?

「俺は本来、人間のやることには干渉しない主義だが…。…それが我が姫の望みなら、話は別だ」

「はぁ…?何?ベリクリーデちゃんになんかあったの?」

「あぁ。実は緊急事態だ。聞いてくれ」

「…ふーん…?何?」

俺が呑気でいられたのは、この時まで。

クロッティ、ことクロティルダから。

ベリクリーデちゃんが、キルディリア魔王国に拉致されてしまったことを聞き。

俺の中で、何と言うか、こう、

ぱーん、と我慢の風船が割れたような気がした。