あの人達、折角真面目に訓練に励んでいたところだったのに。
追い出しちゃって、悪いことしたな…。
俺は申し訳無さのあまり、気分が悪かったけど。
ブラマンジュちゃんとエリトール君は、むしろ、心なしか嬉しそうだった。
それもそうだろう。
「上級魔導師様」から直々に指南を受けるのは、専属見習い魔導師の特権。
他の奴らに邪魔はさせないし、横取りも便乗もさせない。
…と、言ったところだろうか。
気持ちが分からないこともないが…。
…そんなに期待されてもな。
「…それで?俺、何を教えれば良いんだ?」
何を知りたいんだ?ブラマンジュちゃんは。
俺から教わることなんて、何もないと思うけどな。
「そうですね…。やはり、一番教わりたいのは…キュレム様のような、繊細で緻密な、魔力の使い方でしょうか」
「…」
出たよ。
めっちゃ抽象的なお願い。
「えーと…そう言われても…。…自分、別に、特別繊細な魔力の使い方はしてないつもりなんだけど…」
どう説明すりゃ良いんだ?
俺の魔力の使い方なんて、大体「何となく」だぞ。
コツなんてないし、言葉で教えられるようなことでもない。
それなのに。
「私はルイーシュ様に、空間魔法を教わりたいです」
エリトール君は、ルイーシュにそう頼んでいた。
「…俺に、ですか?」
「はい。空間魔法のプロフェッショナルであるルイーシュ様に、空間魔法について教えていただきたいのです」
「…」
…まぁ、空間魔法はルイーシュの代名詞だからな。
あのシルナ学院長でも、空間魔法に関してはルイーシュの方が遥かに上だ、と認めている。
俺もそう思う。
他のことに関してはともかく、他のことに関してはともかく。
他のことに関してはともかく、空間魔法の腕前だけは、ルイーシュは立派なもんだ。
だから、ルイーシュに空間魔法を教わりたい…その気持ちは分かる。
エリトール君じゃなくても、ルーデュニア聖王国でも、たまにそういう人がいた。
空間魔法をちょっとでも齧った人なら、ルイーシュは憧れの的だ。
これまでも何人か、「空間魔法の使い方を教えてください」とか、「その魔法はどうやって使ってるんですか?」とか聞かれたり。
指南を求められたことも、幾度となくあった。
しかしルイーシュはこれまで、一度も、自分の弟子を取ったことはない。
…それどころか。
「…勘です」
と、ルイーシュは答えた。
空間魔法の教えを請われた時は、いつもこの返答である。
「えっ?か、かん?」
「そう、勘です」
「…」
勘で魔法を使う男、ルイーシュ。
これには、エリトール君もぽかん。
…そりゃ、そんな反応にもなるよなぁ。
「適当ですよ、そんなもの。何となく、ただ勘で杖を振るだけです」
「てっ、てきと…!い、いえ、そんなはずは…」
…そう思うだろ?
でもな、ルイーシュに関しては…マジで。
こいつ、いつも適当に杖を振ってるに過ぎないんだよ。
イーニシュフェルト魔導学院に在学中の頃は、学院長も困っていた。
ルイーシュがあまりにも…雑に空間魔法を習得してるから。
特に何も教えてないはずなのに、勘だけで、あれほど繊細な空間魔法を会得してるんだから。
…まぁ、アレだ。天賦の才って奴なんだろうな。
そして天才というのは、大抵、無自覚にその実力を発揮しているものなので。
それを他人に教えることは、非常に難しいのである。
追い出しちゃって、悪いことしたな…。
俺は申し訳無さのあまり、気分が悪かったけど。
ブラマンジュちゃんとエリトール君は、むしろ、心なしか嬉しそうだった。
それもそうだろう。
「上級魔導師様」から直々に指南を受けるのは、専属見習い魔導師の特権。
他の奴らに邪魔はさせないし、横取りも便乗もさせない。
…と、言ったところだろうか。
気持ちが分からないこともないが…。
…そんなに期待されてもな。
「…それで?俺、何を教えれば良いんだ?」
何を知りたいんだ?ブラマンジュちゃんは。
俺から教わることなんて、何もないと思うけどな。
「そうですね…。やはり、一番教わりたいのは…キュレム様のような、繊細で緻密な、魔力の使い方でしょうか」
「…」
出たよ。
めっちゃ抽象的なお願い。
「えーと…そう言われても…。…自分、別に、特別繊細な魔力の使い方はしてないつもりなんだけど…」
どう説明すりゃ良いんだ?
俺の魔力の使い方なんて、大体「何となく」だぞ。
コツなんてないし、言葉で教えられるようなことでもない。
それなのに。
「私はルイーシュ様に、空間魔法を教わりたいです」
エリトール君は、ルイーシュにそう頼んでいた。
「…俺に、ですか?」
「はい。空間魔法のプロフェッショナルであるルイーシュ様に、空間魔法について教えていただきたいのです」
「…」
…まぁ、空間魔法はルイーシュの代名詞だからな。
あのシルナ学院長でも、空間魔法に関してはルイーシュの方が遥かに上だ、と認めている。
俺もそう思う。
他のことに関してはともかく、他のことに関してはともかく。
他のことに関してはともかく、空間魔法の腕前だけは、ルイーシュは立派なもんだ。
だから、ルイーシュに空間魔法を教わりたい…その気持ちは分かる。
エリトール君じゃなくても、ルーデュニア聖王国でも、たまにそういう人がいた。
空間魔法をちょっとでも齧った人なら、ルイーシュは憧れの的だ。
これまでも何人か、「空間魔法の使い方を教えてください」とか、「その魔法はどうやって使ってるんですか?」とか聞かれたり。
指南を求められたことも、幾度となくあった。
しかしルイーシュはこれまで、一度も、自分の弟子を取ったことはない。
…それどころか。
「…勘です」
と、ルイーシュは答えた。
空間魔法の教えを請われた時は、いつもこの返答である。
「えっ?か、かん?」
「そう、勘です」
「…」
勘で魔法を使う男、ルイーシュ。
これには、エリトール君もぽかん。
…そりゃ、そんな反応にもなるよなぁ。
「適当ですよ、そんなもの。何となく、ただ勘で杖を振るだけです」
「てっ、てきと…!い、いえ、そんなはずは…」
…そう思うだろ?
でもな、ルイーシュに関しては…マジで。
こいつ、いつも適当に杖を振ってるに過ぎないんだよ。
イーニシュフェルト魔導学院に在学中の頃は、学院長も困っていた。
ルイーシュがあまりにも…雑に空間魔法を習得してるから。
特に何も教えてないはずなのに、勘だけで、あれほど繊細な空間魔法を会得してるんだから。
…まぁ、アレだ。天賦の才って奴なんだろうな。
そして天才というのは、大抵、無自覚にその実力を発揮しているものなので。
それを他人に教えることは、非常に難しいのである。



