折角、外に出て美味しいものを食べてきたのに。
帰ってきたら、早速部下からお小言。
あー、気分悪い。
それに俺は、何とかして、旧アーリヤット皇国民の皆さんに。
ナツキ様が生きていることを伝える…その手段を、考え始めていたところだった。
…それなのに。
「キュレム様、ルイーシュ様。何か、お飲み物はいかがですか?」
ゆっくり考え事をしたくても、そんな暇を与えてくれないのが、この部下二人。
ブラマンジュちゃんとエリトール君である。
飲み物とかどうでも良いからさ。
ちょっとほっといてくれないかな。…なんか、もう、色々と。
「いや…別に…要らない」
「…そうですか」
いつもいつも、喉が乾いてると思うなよ。
お前らの勧めるままに飲み物ばっか飲んでたら、胃の中たぷんたぷんになるわ。
…すると。
「もし時間があるようでしたら、少しお願いしたいことがあるのですが…」
…と、ブラマンジュちゃんが言い出した。
「…お願いしたいこと?…って、何?」
「実は…その、キュレム様に稽古をつけていただきたく…」
「私は、ルイーシュ様にお願いしたく存じます」
ブラマンジュちゃんは俺に。
エリトール君はルイーシュに、それぞれそう言った。
…はぁ、そうなん?
二人共もじもじしながらも、何処か期待を込めた眼差しである。
…そういや、専属見習い魔導師ってのは。
師匠と弟子のような関係で、師匠の上級魔導師が、弟子の見習い魔導師に、魔法の指南をしたり、面倒見てやったりするんだっけ。
俺達、自分の面倒ばっかり見てもらって。
全然、二人の面倒は見てなかったな。
まぁ、半ば押し付けられた弟子なんだけど。
そろそろ師匠らしいことをしてくれ、というクレームなのだろうか。
これでも一応、二人共気を遣ってるんだろうな。
師匠である俺とルイーシュが忙しそうな時は、敢えて声をかけず。
こうして、ちょっと暇そうな時に、「稽古をつけて欲しい」とせがんでくるとは。
気遣いの出来る、良い子達じゃないか。
だからこそ、何だか申し訳なくなってくる。
「期待してるところ、悪いけどな…。自分は別に…人に教えられるような魔法は使えないぞ?」
上級魔導師というだけで、魔法の先生みたいに思ってるのかもしれないが。
全然、そんなことない。
俺、魔導師ではあるけど、教師ではないからな。
そういうことに関しては、学院長か羽久に頼んでくれ。
俺、人に教えるの向いてないんだよ。
自分でもよく分かってないからな。魔法の使い方なんて。
「そんなことはありません。キュレム様は、立派な上級魔導師様です」
「いや…。そういう問題じゃなくて…」
立派な上級魔導師様が、立派な魔法の教師とは限らないんだよ。
分からんかね。
「我々に教えを乞うより、魔導書の一冊でも読んだ方が、余程勉強になると思いますけど」
その通りだルイーシュ。よく言った。
稽古をつけるなんて、俺達、絶対向いてない。
それなのに、二人共引き下がることはなく。
「いいえ、私はルイーシュ様の専属見習い魔導師ですから。魔導書ではなく、ルイーシュ様に教えを乞いたいのです」
…期待に満ちた眼差しである。
「私は、キュレム様に教えていただきたいです」
…ブラマンジュちゃんまで。
…わっくわくじゃないか。
どうすりゃ良いんだよ。この空気。
帰ってきたら、早速部下からお小言。
あー、気分悪い。
それに俺は、何とかして、旧アーリヤット皇国民の皆さんに。
ナツキ様が生きていることを伝える…その手段を、考え始めていたところだった。
…それなのに。
「キュレム様、ルイーシュ様。何か、お飲み物はいかがですか?」
ゆっくり考え事をしたくても、そんな暇を与えてくれないのが、この部下二人。
ブラマンジュちゃんとエリトール君である。
飲み物とかどうでも良いからさ。
ちょっとほっといてくれないかな。…なんか、もう、色々と。
「いや…別に…要らない」
「…そうですか」
いつもいつも、喉が乾いてると思うなよ。
お前らの勧めるままに飲み物ばっか飲んでたら、胃の中たぷんたぷんになるわ。
…すると。
「もし時間があるようでしたら、少しお願いしたいことがあるのですが…」
…と、ブラマンジュちゃんが言い出した。
「…お願いしたいこと?…って、何?」
「実は…その、キュレム様に稽古をつけていただきたく…」
「私は、ルイーシュ様にお願いしたく存じます」
ブラマンジュちゃんは俺に。
エリトール君はルイーシュに、それぞれそう言った。
…はぁ、そうなん?
二人共もじもじしながらも、何処か期待を込めた眼差しである。
…そういや、専属見習い魔導師ってのは。
師匠と弟子のような関係で、師匠の上級魔導師が、弟子の見習い魔導師に、魔法の指南をしたり、面倒見てやったりするんだっけ。
俺達、自分の面倒ばっかり見てもらって。
全然、二人の面倒は見てなかったな。
まぁ、半ば押し付けられた弟子なんだけど。
そろそろ師匠らしいことをしてくれ、というクレームなのだろうか。
これでも一応、二人共気を遣ってるんだろうな。
師匠である俺とルイーシュが忙しそうな時は、敢えて声をかけず。
こうして、ちょっと暇そうな時に、「稽古をつけて欲しい」とせがんでくるとは。
気遣いの出来る、良い子達じゃないか。
だからこそ、何だか申し訳なくなってくる。
「期待してるところ、悪いけどな…。自分は別に…人に教えられるような魔法は使えないぞ?」
上級魔導師というだけで、魔法の先生みたいに思ってるのかもしれないが。
全然、そんなことない。
俺、魔導師ではあるけど、教師ではないからな。
そういうことに関しては、学院長か羽久に頼んでくれ。
俺、人に教えるの向いてないんだよ。
自分でもよく分かってないからな。魔法の使い方なんて。
「そんなことはありません。キュレム様は、立派な上級魔導師様です」
「いや…。そういう問題じゃなくて…」
立派な上級魔導師様が、立派な魔法の教師とは限らないんだよ。
分からんかね。
「我々に教えを乞うより、魔導書の一冊でも読んだ方が、余程勉強になると思いますけど」
その通りだルイーシュ。よく言った。
稽古をつけるなんて、俺達、絶対向いてない。
それなのに、二人共引き下がることはなく。
「いいえ、私はルイーシュ様の専属見習い魔導師ですから。魔導書ではなく、ルイーシュ様に教えを乞いたいのです」
…期待に満ちた眼差しである。
「私は、キュレム様に教えていただきたいです」
…ブラマンジュちゃんまで。
…わっくわくじゃないか。
どうすりゃ良いんだよ。この空気。



