神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

ジュリスは、ベリクリーデを追いかけるように。

すぐさま、キルディリア魔王国に向けて出発した。

一人では危険ではないかと、シュニィが言ったのだが。

ジュリスは頑なに、「一人で良い」と言い張った。

むしろ、

「他の奴が一緒に来ると、足並みを揃えるのが面倒だから」と、きっぱり断った。

…そう言われたら、さすがに言い返す言葉もなく。

シュニィも、渋々引き下がった。

…今は、聖魔騎士団も人手不足だからな。

キュレムとルイーシュがいない上に、ベリクリーデとジュリスまで、キルディリアに行ってしまったら。

ルーデュニア聖王国とて、完全に安全とは言い難い情勢なのだ。

残される面々の負担を思えば、迂闊に戦力を分散したくはない。

ベリクリーデのことは、俺も心配なんだけどな…。

ジュリスなら、一人でも大丈夫だとは思うが…。




…ジュリスが立ち去ってから。

「…どう?修羅場、終わった?」

「あ…お前ら…」

行方を眩ませていた令月とすぐりが。

何事もなかったように、スッと戻ってきた。

…何処にいたんだよ。お前ら。

「キュレムとルイーシュはアーリヤット皇国だし…。ベリクリーデとジュリスも、キルディリア魔王国に行ってしまったし…。また心配事が増えたな」

「そうだね…」

シルナも、心なしかちょっとしょんぼり。

「だからさー。俺達が行くって言ったのに」

「今からでも遅くないよ。僕と『八千歳』でスパイ、やろうか?」

何を言い出すんだ。お前ら。

「駄目に決まってるだろ。これ以上、不安の種を増やしてたまるか」

頼むから、お前達は大人しくしてろ。

「良いか。勝手にいなくなるんじゃないぞ。その時は…イレースに雷を落としてもらうからな」

「もー。らんぼーだなー」

うるせぇ。

お前らにどっか行かれたら、気が気じゃないんだからな。

大人しく、ルーデュニア聖王国で…タケノコ掘りでもしててくれ。