「俺が…あんなつまらない罠に引っ掛かかりさえしなければ。ベリクリーデの傍を離れなければ…こんな、ことには…!」
「ジュリス…」
…かける言葉も見つからないが。
「…ジュリス君には、何の責任もないよ」
すると、シルナが。
そっと、ジュリスを慰めるように言った。
「もし、ベリクリーデちゃんを連れ去ったのが、イシュメル女王の命令によるものなら…。彼女のことだ。きっと、何通りもの作戦を立てて、どんな方法を使っても、ベリクリーデちゃんを連れて行ったはずだ」
「…」
…だろうな。
あの狡猾な女王のこと…。きっと、ベリクリーデを連れ去る為の手段を、いくつも講じていたはずだ。
仮に、ジュリスがベリクリーデの傍を離れなかったとしても。
別の方法を使って、ベリクリーデを連れ去る計画を練っていたことだろう。
こう言っちゃ、なんだが…。…ジュリスが油断していても、していなくても、ベリクリーデは連れ去られていた。
ただ、もう少し時期が遅れていたかもしれない。…それだけの差だ。
俺はそう思う。
ジュリスが納得出来なかったとしても。
「だから…そんなに自分を責めないで」
「…」
無言で、唇を噛み締めるジュリス。
…本当は、ジュリスだって分かってるはずだ。
「ジュリス君、ベリクリーデちゃんはきっと、自分が連れ去られたのはジュリス君のせいだ、なんて…。そんなことは思ってないはずだよ」
「っ…」
ジュリスは、ハッとして顔を上げた。
そうだな。
ベリクリーデは、そういう奴だ。
「今君がすべきことは、自分を責めることじゃない。そうじゃなくて、それよりも…」
「っ…分かってる」
ジュリスは天を仰ぎ、はぁー、と大きく息を吐いてから。
ぱんっ、と両手で自分の頬を叩いた。
気合を入れ直すかのように。
「畜生、ふざけやがって。あの女…!ベリクリーデに余計な手出しをしたらどうなるのか、教えてやる」
…口調は勇ましく、そして台詞は乱暴だったが。
しかし、ジュリスが纏う、怒りのオーラがようやく消えていた。
いつものジュリスだ。
「ベリクリーデは、俺が絶対に連れ戻す。行き先が何処だろうと、誰の意志だろうと関係ねぇ…。必ずあいつを連れ戻して、そしてカプリッコを食べさせる」
か、カプリッコ?
…一体何の話か分からないが。
「ジュリス…。本当に大丈夫か?」
「大丈夫に決まってるだろ。俺を誰だと思ってる?」
ジュリスだ。
…なら、問題ないな。
「悪いが、シュニィ。…少し留守にする」
「分かりました。…ベリクリーデさんを連れて、必ず無事に戻ってきてください」
「あぁ、任せろ」
実に、頼もしい返事である。
「ジュリス…」
…かける言葉も見つからないが。
「…ジュリス君には、何の責任もないよ」
すると、シルナが。
そっと、ジュリスを慰めるように言った。
「もし、ベリクリーデちゃんを連れ去ったのが、イシュメル女王の命令によるものなら…。彼女のことだ。きっと、何通りもの作戦を立てて、どんな方法を使っても、ベリクリーデちゃんを連れて行ったはずだ」
「…」
…だろうな。
あの狡猾な女王のこと…。きっと、ベリクリーデを連れ去る為の手段を、いくつも講じていたはずだ。
仮に、ジュリスがベリクリーデの傍を離れなかったとしても。
別の方法を使って、ベリクリーデを連れ去る計画を練っていたことだろう。
こう言っちゃ、なんだが…。…ジュリスが油断していても、していなくても、ベリクリーデは連れ去られていた。
ただ、もう少し時期が遅れていたかもしれない。…それだけの差だ。
俺はそう思う。
ジュリスが納得出来なかったとしても。
「だから…そんなに自分を責めないで」
「…」
無言で、唇を噛み締めるジュリス。
…本当は、ジュリスだって分かってるはずだ。
「ジュリス君、ベリクリーデちゃんはきっと、自分が連れ去られたのはジュリス君のせいだ、なんて…。そんなことは思ってないはずだよ」
「っ…」
ジュリスは、ハッとして顔を上げた。
そうだな。
ベリクリーデは、そういう奴だ。
「今君がすべきことは、自分を責めることじゃない。そうじゃなくて、それよりも…」
「っ…分かってる」
ジュリスは天を仰ぎ、はぁー、と大きく息を吐いてから。
ぱんっ、と両手で自分の頬を叩いた。
気合を入れ直すかのように。
「畜生、ふざけやがって。あの女…!ベリクリーデに余計な手出しをしたらどうなるのか、教えてやる」
…口調は勇ましく、そして台詞は乱暴だったが。
しかし、ジュリスが纏う、怒りのオーラがようやく消えていた。
いつものジュリスだ。
「ベリクリーデは、俺が絶対に連れ戻す。行き先が何処だろうと、誰の意志だろうと関係ねぇ…。必ずあいつを連れ戻して、そしてカプリッコを食べさせる」
か、カプリッコ?
…一体何の話か分からないが。
「ジュリス…。本当に大丈夫か?」
「大丈夫に決まってるだろ。俺を誰だと思ってる?」
ジュリスだ。
…なら、問題ないな。
「悪いが、シュニィ。…少し留守にする」
「分かりました。…ベリクリーデさんを連れて、必ず無事に戻ってきてください」
「あぁ、任せろ」
実に、頼もしい返事である。



