「あのな、人様の山に生えてるタケノコは、その人様のものだから。勝手に採って帰っちゃ駄目なんだ。ルーデュニア聖王国ではそうなんだよ」
「ふーん…?なんか難しい決まりがあるんだね」
「迂闊に山にも入れないなんて…。世知辛い国だ」
うん。
まず、迂闊に山に入ろうという前提がおかしいからな?
しかし、すぐりは不満げだった。
「俺達が採ってなかったら、どうせイノシシに食べられてたよ」
「いや…。それは分からないだろ。ちゃんと持ち主が、」
「無理無理。間に合わないね。だって、俺達が山に入った時には、もう既にイノシシ、いたよ?」
は?
俺とシルナは、目が点になっていた。
それなのに、令月とすぐりはけろっとして。
「ねー、『八千代』?」
「そうだね。僕達がタケノコ掘ってたら、獣臭い匂いがして…」
「振り返ったら、鼻息を荒くしたイノシシがいたんだよねー」
…なぁ、それ、相当ヤバい状況だよな?
人様の山に勝手に入って、勝手にタケノコを掘ってたら、イノシシと遭遇。
これが一般人であれば、気の毒だが、でも自業自得である。
イノシシ君としては、知らない二人が勝手に、自分の餌(タケノコ)を掘り返していて。
「おいお前ら何やってんだ」的な状態だったのだろう。
俺やシルナだったら、一瞬で青ざめて、泣いて逃げ出すところだろうが。
…しかし、イノシシ君。
今回ばかりは、相手が悪かった。
「…で、そのイノシシはどうなった?」
「え?糸魔法でぐるぐる巻きにして、宙吊りにしたけど?」
「そこを麻酔針を打って眠らせて、山奥に放置してきた」
…そんなことだろうと思った。
…イノシシ、ドンマイ。
それどころか。
「なかなか立派な体格のイノシシだったし、捕まえて食べても良かったんだけどねー」
「今日の目的はタケノコであって、イノシシではなかったからね」
危うく、美味しい猪肉となって食べられるところだった。
「凶暴なイノシシを撃退してあげたんだからさー。その見返りにタケノコをもらうくらい、良いよね」
と、勝手に納得しているすぐりであった。
…山の持ち主さん、本当にすみません。
イノシシを退治したみたいなんで。許してください。
「で、無事にタケノコも収穫したし、早速、帰ってアク抜きしようと思ったんだけど…」
「学院長せんせーと、羽久せんせーを見つけたからさー。声かけに来た」
…とのこと。
成程、そういうことだったか…。
「何処行ってんの?」
「聖魔騎士団だよ…。…シルナがチョコケーキを差し入れするって言うから」
「あー、成程ねー」
すぐりは、シルナが持っている特大ケーキボックスを見つめながら頷いた。
「じゃ、ついでにタケノコも差し入れしようか」
「そーだね」
「そういう訳だから、僕達も一緒についていくよ」
「あ、そう…」
別に良いけど…。
こうして、令月とすぐりも、一緒に聖魔騎士団魔導隊舎に向かうことになった。
…しかし、チョコケーキとタケノコって…凄い組み合わせだな。
多分一緒に食べても合わないと思うので、別々に食べてくれ。
「ふーん…?なんか難しい決まりがあるんだね」
「迂闊に山にも入れないなんて…。世知辛い国だ」
うん。
まず、迂闊に山に入ろうという前提がおかしいからな?
しかし、すぐりは不満げだった。
「俺達が採ってなかったら、どうせイノシシに食べられてたよ」
「いや…。それは分からないだろ。ちゃんと持ち主が、」
「無理無理。間に合わないね。だって、俺達が山に入った時には、もう既にイノシシ、いたよ?」
は?
俺とシルナは、目が点になっていた。
それなのに、令月とすぐりはけろっとして。
「ねー、『八千代』?」
「そうだね。僕達がタケノコ掘ってたら、獣臭い匂いがして…」
「振り返ったら、鼻息を荒くしたイノシシがいたんだよねー」
…なぁ、それ、相当ヤバい状況だよな?
人様の山に勝手に入って、勝手にタケノコを掘ってたら、イノシシと遭遇。
これが一般人であれば、気の毒だが、でも自業自得である。
イノシシ君としては、知らない二人が勝手に、自分の餌(タケノコ)を掘り返していて。
「おいお前ら何やってんだ」的な状態だったのだろう。
俺やシルナだったら、一瞬で青ざめて、泣いて逃げ出すところだろうが。
…しかし、イノシシ君。
今回ばかりは、相手が悪かった。
「…で、そのイノシシはどうなった?」
「え?糸魔法でぐるぐる巻きにして、宙吊りにしたけど?」
「そこを麻酔針を打って眠らせて、山奥に放置してきた」
…そんなことだろうと思った。
…イノシシ、ドンマイ。
それどころか。
「なかなか立派な体格のイノシシだったし、捕まえて食べても良かったんだけどねー」
「今日の目的はタケノコであって、イノシシではなかったからね」
危うく、美味しい猪肉となって食べられるところだった。
「凶暴なイノシシを撃退してあげたんだからさー。その見返りにタケノコをもらうくらい、良いよね」
と、勝手に納得しているすぐりであった。
…山の持ち主さん、本当にすみません。
イノシシを退治したみたいなんで。許してください。
「で、無事にタケノコも収穫したし、早速、帰ってアク抜きしようと思ったんだけど…」
「学院長せんせーと、羽久せんせーを見つけたからさー。声かけに来た」
…とのこと。
成程、そういうことだったか…。
「何処行ってんの?」
「聖魔騎士団だよ…。…シルナがチョコケーキを差し入れするって言うから」
「あー、成程ねー」
すぐりは、シルナが持っている特大ケーキボックスを見つめながら頷いた。
「じゃ、ついでにタケノコも差し入れしようか」
「そーだね」
「そういう訳だから、僕達も一緒についていくよ」
「あ、そう…」
別に良いけど…。
こうして、令月とすぐりも、一緒に聖魔騎士団魔導隊舎に向かうことになった。
…しかし、チョコケーキとタケノコって…凄い組み合わせだな。
多分一緒に食べても合わないと思うので、別々に食べてくれ。



