現在のアーリヤット皇国には、問題が山積みだった。
戦後の混乱で流通が滞ったことにより、都市部の人々は、食糧や日用品の高騰に苦しみ。
さっきの主婦みたいに、生活に困った人が犯罪行為に走り。
領内の至る所で、窃盗や詐欺などの犯罪が横行している。
強引に捕らえられた人々は、刑務所のみならず。
学校のみならず、病院や市役所や、公営の施設が、仮設の「牢屋」に閉じ込められている。
更に、キルディリア魔王国が、アーリヤット皇国民の魔導師を優遇したことにより。
旧アーリヤット皇国の中でも、魔導師と非魔導師の対立が深まっている。
キルディリア魔王国の理不尽な支配に、一致団結して反抗するどころか。
同じアーリヤット皇国民の中で、魔導師、非魔導師間で相争っている状況だ。
キルディリアに対する反抗心を削ぎ、反乱の芽を摘む為には、確かに効果的な方法だ。
支配している「上」ではなく、同じアーリヤット皇国の民…「横」と対立させる。
憎しみの矛先を逸らすことで、キルディリアの支配を確立しようとしている。
これらも全て、イシュメル女王の采配である。
実に狡猾、と言わざるを得ない。
あの性悪女め。
だが、イシュメル女王に悪態をつくのは、後回しだ。
現実問題として、今、目の前で苦しんでいる、アーリヤット皇国の民達を見ると。
何とかしなければ、という焦燥感に駆られる。
分裂してしまった元アーリヤット皇国の民が、再び一つにまとまるには。
魔導師とか、魔導師じゃないとか、そんなつまらない違いなんて、どうでも良い。
同じアーリヤット皇国の民として、互いに手を組み、キルディリア魔王国の支配に抗う為には。
方法は一つ。
唯一、彼らのアイコンとなり得る存在…皇王ナツキ様が生きていることを、国民全員に知らせる。
これだけが、唯一の方法だ。
ナツキ様が生きていることを、再びアーリヤット皇国に戻ってこようとしていることを知れば。
アーリヤット皇国の民は、きっと目を覚ましてくれる。気づいてくれる。
自分達が頂くのは、卑怯なキルディリアの女王ではない。
これまでずっと、アーリヤット皇国を守ってくれた皇王…そう、ナツキ様であるということを。
その時こそが、アーリヤット皇国民が立ち上がる時なのだ。
そして、その情報を…知っているのは、俺とルイーシュだけだ。
だから、俺達が何とかしなければならない。
別に、ナツキ様に頼まれたから、じゃないぞ。
俺が、そうしたいから。
それが正しいと思うから、そうしたいだけ。
…だけど、どうやって?
その道程は、口で言うほど、簡単なことではなかった。
しかも。
戦後の混乱で流通が滞ったことにより、都市部の人々は、食糧や日用品の高騰に苦しみ。
さっきの主婦みたいに、生活に困った人が犯罪行為に走り。
領内の至る所で、窃盗や詐欺などの犯罪が横行している。
強引に捕らえられた人々は、刑務所のみならず。
学校のみならず、病院や市役所や、公営の施設が、仮設の「牢屋」に閉じ込められている。
更に、キルディリア魔王国が、アーリヤット皇国民の魔導師を優遇したことにより。
旧アーリヤット皇国の中でも、魔導師と非魔導師の対立が深まっている。
キルディリア魔王国の理不尽な支配に、一致団結して反抗するどころか。
同じアーリヤット皇国民の中で、魔導師、非魔導師間で相争っている状況だ。
キルディリアに対する反抗心を削ぎ、反乱の芽を摘む為には、確かに効果的な方法だ。
支配している「上」ではなく、同じアーリヤット皇国の民…「横」と対立させる。
憎しみの矛先を逸らすことで、キルディリアの支配を確立しようとしている。
これらも全て、イシュメル女王の采配である。
実に狡猾、と言わざるを得ない。
あの性悪女め。
だが、イシュメル女王に悪態をつくのは、後回しだ。
現実問題として、今、目の前で苦しんでいる、アーリヤット皇国の民達を見ると。
何とかしなければ、という焦燥感に駆られる。
分裂してしまった元アーリヤット皇国の民が、再び一つにまとまるには。
魔導師とか、魔導師じゃないとか、そんなつまらない違いなんて、どうでも良い。
同じアーリヤット皇国の民として、互いに手を組み、キルディリア魔王国の支配に抗う為には。
方法は一つ。
唯一、彼らのアイコンとなり得る存在…皇王ナツキ様が生きていることを、国民全員に知らせる。
これだけが、唯一の方法だ。
ナツキ様が生きていることを、再びアーリヤット皇国に戻ってこようとしていることを知れば。
アーリヤット皇国の民は、きっと目を覚ましてくれる。気づいてくれる。
自分達が頂くのは、卑怯なキルディリアの女王ではない。
これまでずっと、アーリヤット皇国を守ってくれた皇王…そう、ナツキ様であるということを。
その時こそが、アーリヤット皇国民が立ち上がる時なのだ。
そして、その情報を…知っているのは、俺とルイーシュだけだ。
だから、俺達が何とかしなければならない。
別に、ナツキ様に頼まれたから、じゃないぞ。
俺が、そうしたいから。
それが正しいと思うから、そうしたいだけ。
…だけど、どうやって?
その道程は、口で言うほど、簡単なことではなかった。
しかも。



