神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

ーーーーーー…その頃、ルーデュニア聖王国では。

キルディリア魔王国に、スパイ任務に行っているキュレムとルイーシュから。

暗号文で、新たな第二報が届いた。

暗号文を受け取り、解読したシュニィ曰く。

今回の報告では、今のところ、二人共順調にスパイ活動を続けていること。

そして、今度、旧アーリヤット皇国の領土に出張に行くことが決まったこと。

それから…もう一つ。

「重大な情報を入手した」と、キュレム達は伝えてきた。

しかし、その内容までは書いていなかった。

暗号文が流出することを恐れて、詳細までは書けなかったのだろうが。

「重大な情報」…って、一体何なんだろうな?

…非常に気になる。

二人が無事に過ごしていることは、一旦安心したが。

そんな含みのある匂わせをされたら、逆に心配が募るじゃないか。

…キュレムとルイーシュが、迂闊に報告することさえ憚るほどの…「重大な情報」。

…何なんだろうな?

気になる…。非常に気になる。

それに、気になると言えば、キュレムとルイーシュの処遇についても。

二人共、折角キルディリア魔王国本国に潜り込んだというのに。

今度は、旧アーリヤット皇国に出張、だと?

それって、イシュメル女王の命令だよな?

…一体何を考えてるんだ?あの女。

もしかして、何かに勘づいて。

キュレムとルイーシュを、敢えて国外に追いやろうとしている?

二人のことが信用出来ないから、アーリヤット領にでも追放してしまおう、と?

それとも、逆か?

二人のことを信用しているからこそ、アーリヤット領の統治を任せるのか?

…あるいは…他に何か、別の意図があるのか?

色々な憶測が、思い浮かんでは消えて行き。

「…はぁ…」

煮詰まってしまって、大きな溜め息をついた。

その時。

「ジュリスー。おやつ、一緒に食べよー」

ルーデュニア聖王国で一番、空気の読めない女。

ベリクリーデが、俺の部屋に突入してきた。

…おやつの箱を手に持って。