イシュメル女王より、新たな使命を受諾した俺達は。
丁寧に挨拶して、王の間を後にした。
…俺達が去ってから。
王の間に、シディ・サクメが戻ってきた。
「…よろしいのですか?」
サクメは、イシュメル女王に尋ねた。
「何がじゃ?」
「あの者達は信用なりません。キルディリアへの亡命というのも口実で…。本当は、スパイとして我が国に潜入しに来ただけなのではないですか」
シディ・サクメは、ハナから俺とルイーシュのことを信用していなかった。
スパイではないかと、疑ってかかっていたのだ。
…正解なんだけど。
「ナツキ元皇王に会わせたことも…。陛下のご命令ですから従いましたが、この状態で彼らをアーリヤット領に行かせれば、むしろ、余計にアーリヤット領内で反乱の種を生み出すだけなのでは…?」
「…ふむ。そうじゃな、おぬしの言う通りよ」
本当にそうなれば、イシュメル女王にとって都合が悪いはずなのに。
女王は、余裕の表情を崩さなかった。
「だからこそ、奴らを試すのよ。もしあの二人がスパイなら、アーリヤット領に行かせれば、必ず動くじゃろう」
「…!敢えて、尻尾を出させるということですか」
「あぁ、そうじゃ。なに、わらわとて、初めから奴らを信用などしていない」
…っていうこの台詞を、俺が直接イシュメル女王から聞いていたら。
多少なりとも、ショック受けただろうなぁ。
これまでの必死の演技、何だったんだよ、と。
出来るだけ怪しまれないように、一生懸命頑張ったってのに。
「奴らをアーリヤット領に行かせるのは、奴らに尻尾を出させる為でもあり…。…目眩ましの為でもある」
「…目眩まし、ですか?」
「アーリヤット皇国の領土など、欲しければくれてやるわ。わらわの目的は一つ…。それを果たす為に、ルーデュニア人の奴らは邪魔なのじゃ」
そう言って。
イシュメル女王は、扇で口元を隠し、不敵に笑った。
…結局。
俺とルイーシュは、イシュメル女王の掌の上で、ころころと転がされていたに過ぎないのだ。
…今のところは、だが。
丁寧に挨拶して、王の間を後にした。
…俺達が去ってから。
王の間に、シディ・サクメが戻ってきた。
「…よろしいのですか?」
サクメは、イシュメル女王に尋ねた。
「何がじゃ?」
「あの者達は信用なりません。キルディリアへの亡命というのも口実で…。本当は、スパイとして我が国に潜入しに来ただけなのではないですか」
シディ・サクメは、ハナから俺とルイーシュのことを信用していなかった。
スパイではないかと、疑ってかかっていたのだ。
…正解なんだけど。
「ナツキ元皇王に会わせたことも…。陛下のご命令ですから従いましたが、この状態で彼らをアーリヤット領に行かせれば、むしろ、余計にアーリヤット領内で反乱の種を生み出すだけなのでは…?」
「…ふむ。そうじゃな、おぬしの言う通りよ」
本当にそうなれば、イシュメル女王にとって都合が悪いはずなのに。
女王は、余裕の表情を崩さなかった。
「だからこそ、奴らを試すのよ。もしあの二人がスパイなら、アーリヤット領に行かせれば、必ず動くじゃろう」
「…!敢えて、尻尾を出させるということですか」
「あぁ、そうじゃ。なに、わらわとて、初めから奴らを信用などしていない」
…っていうこの台詞を、俺が直接イシュメル女王から聞いていたら。
多少なりとも、ショック受けただろうなぁ。
これまでの必死の演技、何だったんだよ、と。
出来るだけ怪しまれないように、一生懸命頑張ったってのに。
「奴らをアーリヤット領に行かせるのは、奴らに尻尾を出させる為でもあり…。…目眩ましの為でもある」
「…目眩まし、ですか?」
「アーリヤット皇国の領土など、欲しければくれてやるわ。わらわの目的は一つ…。それを果たす為に、ルーデュニア人の奴らは邪魔なのじゃ」
そう言って。
イシュメル女王は、扇で口元を隠し、不敵に笑った。
…結局。
俺とルイーシュは、イシュメル女王の掌の上で、ころころと転がされていたに過ぎないのだ。
…今のところは、だが。



