やっぱり、言わない方が良かったかね。
でも、聞いてきたのはナツキ様だから。
俺はそれに答えただけだから。
「…なんということだ…。アーリヤット皇国が…もう、存在していないとは…」
「…あー…。…うん…」
なんて言ったら良いかね。
…ドンマイ!…は違うな。
同情するよ。
アーリヤット皇国が始めた戦争で、領土を失ったなら、自業自得だが。
この戦争を始めたのは、キルディリア魔王国の方だ。
一方的に攻められて、一方的に領土を奪われて…。こんなところまで連れてこられて。
そりゃ、さぞや悔しいだろうよ。
ナツキ様のことは、いけ好かない王様だと思っていたが。
今、この時ばかりは…心の底から気の毒だと思うよ。
あんたさんは悪くない。…あんまり。
少なくとも、この件については悪くない。
悪いのは、戦争を仕掛けたキルディリア魔王国…。
と言いたいところだが、世界魔導師保護条約、なんて不平等条約を提案して、先に世界の秩序を乱したのは、ナツキ様だからな。
…やっぱり自業自得じゃね?
手のひらくるー。
それでも。
「…皇国民は?キルディリアの統治下で、生活を保障されているのか?」
ナツキ様がまず、真っ先に心配したのは。
自分のことではなく、旧アーリヤット領の国民達のことだった。
…。
「かなりの混乱は起きているようです。特に魔導師と、非魔導師の間で…」
ルイーシュが答えた。
「とはいえ、すぐにイシュメル女王と、キルディリア魔王国の有力魔導師がアーリヤット領を治め、新たな秩序を築いているようです」
「…アーリヤット民の虐殺が起きたりは?」
「それはありません。…今のところは、ですが」
「…そうか…」
…こうして見ると。
ナツキ様って、フユリ様へのコンプレックスを拗らせて、底意地の悪いことばっかしてると思ってたが。
いや、実際フユリ様に対しては、超絶意地悪だったけど。
でも…国王としては、そんなに悪い人じゃないんだよな。
フユリ様へのコンプレックスさえなければ、あと、魔導師に対する差別心さえなければ。
普通に、真っ当に、良い国王だったんだろうに。
実際、キルディリア魔王国に侵攻されるまで。
アーリヤット皇国は、ナツキ様の治世のもと、特に問題なく、安定した国政を続けていた。
少なくとも、ジャマ王国みたいに、秩序が完全に崩壊している…なんてことはなかった。
そう考えると、アーリヤット皇国民は、あれで意外と幸福に暮らしていたのかもしれない。
「アーリヤット皇国本国では、あなたが死んだことにされているので。反乱や反抗も、ほとんど起きていないようです」
イシュメル女王の思惑通り、ってところだな。
ナツキ様が生きていれば、ナツキ様を陣頭に、アーリヤット領内で反キルディリア勢力が強まっていただろう。
だけど、アーリヤット皇国の旗印となり得るナツキ様は、既に戦死したと報告されている。
意気消沈したアーリヤット国民達は、抵抗の意思さえなくしてしまっている。
我らの希望は潰えた。…そう思ってるんだろうな。
他に…ナツキ様の代わりに…アーリヤット皇国の民にとって、旗印となり得る組織や、人物と言えば…。
「…『HOME』の連中は?」
俺は、ナツキ様にそう尋ねた。
ここぞとばかりに、聞きたかったことを聞かせてもらうぞ。
でも、聞いてきたのはナツキ様だから。
俺はそれに答えただけだから。
「…なんということだ…。アーリヤット皇国が…もう、存在していないとは…」
「…あー…。…うん…」
なんて言ったら良いかね。
…ドンマイ!…は違うな。
同情するよ。
アーリヤット皇国が始めた戦争で、領土を失ったなら、自業自得だが。
この戦争を始めたのは、キルディリア魔王国の方だ。
一方的に攻められて、一方的に領土を奪われて…。こんなところまで連れてこられて。
そりゃ、さぞや悔しいだろうよ。
ナツキ様のことは、いけ好かない王様だと思っていたが。
今、この時ばかりは…心の底から気の毒だと思うよ。
あんたさんは悪くない。…あんまり。
少なくとも、この件については悪くない。
悪いのは、戦争を仕掛けたキルディリア魔王国…。
と言いたいところだが、世界魔導師保護条約、なんて不平等条約を提案して、先に世界の秩序を乱したのは、ナツキ様だからな。
…やっぱり自業自得じゃね?
手のひらくるー。
それでも。
「…皇国民は?キルディリアの統治下で、生活を保障されているのか?」
ナツキ様がまず、真っ先に心配したのは。
自分のことではなく、旧アーリヤット領の国民達のことだった。
…。
「かなりの混乱は起きているようです。特に魔導師と、非魔導師の間で…」
ルイーシュが答えた。
「とはいえ、すぐにイシュメル女王と、キルディリア魔王国の有力魔導師がアーリヤット領を治め、新たな秩序を築いているようです」
「…アーリヤット民の虐殺が起きたりは?」
「それはありません。…今のところは、ですが」
「…そうか…」
…こうして見ると。
ナツキ様って、フユリ様へのコンプレックスを拗らせて、底意地の悪いことばっかしてると思ってたが。
いや、実際フユリ様に対しては、超絶意地悪だったけど。
でも…国王としては、そんなに悪い人じゃないんだよな。
フユリ様へのコンプレックスさえなければ、あと、魔導師に対する差別心さえなければ。
普通に、真っ当に、良い国王だったんだろうに。
実際、キルディリア魔王国に侵攻されるまで。
アーリヤット皇国は、ナツキ様の治世のもと、特に問題なく、安定した国政を続けていた。
少なくとも、ジャマ王国みたいに、秩序が完全に崩壊している…なんてことはなかった。
そう考えると、アーリヤット皇国民は、あれで意外と幸福に暮らしていたのかもしれない。
「アーリヤット皇国本国では、あなたが死んだことにされているので。反乱や反抗も、ほとんど起きていないようです」
イシュメル女王の思惑通り、ってところだな。
ナツキ様が生きていれば、ナツキ様を陣頭に、アーリヤット領内で反キルディリア勢力が強まっていただろう。
だけど、アーリヤット皇国の旗印となり得るナツキ様は、既に戦死したと報告されている。
意気消沈したアーリヤット国民達は、抵抗の意思さえなくしてしまっている。
我らの希望は潰えた。…そう思ってるんだろうな。
他に…ナツキ様の代わりに…アーリヤット皇国の民にとって、旗印となり得る組織や、人物と言えば…。
「…『HOME』の連中は?」
俺は、ナツキ様にそう尋ねた。
ここぞとばかりに、聞きたかったことを聞かせてもらうぞ。



