地下は酷く静かで、物音一つ、衣擦れの音一つ聞こえなかった。
死んだような静けさの中、俺とルイーシュと、先頭を歩くシディ・サクメの足音。
これだけが、やけに大きく響いて聞こえた。
人の気配はまったくない。
「…ここです」
サクメは、突き当たりの部屋の前で立ち止まった。
磨りガラスの扉の向こうに、ベッドに腰掛ける人のシルエットが見えた。
この磨りガラスの扉にも、幻覚魔法が使われている。
本来は透明な扉なのに、幻覚魔法で磨りガラスのように加工して。
中が見えないように、モザイクをかけているような状態だ。
…こうまでして、隠しておきたい人物なのか?
一体誰だ?
この人物が、俺達に会わせたい人…?
サクメが、磨りガラスにそっと触れると。
幻覚魔法が解け、磨りガラスの扉が、透明の扉に戻った。
途端に、部屋の中の人物の顔が明らかになった。
「…!」
これには、さすがの俺も驚いた。
「…」
ルイーシュは無言だったが、ルイーシュも息を呑んでいるのが分かった。
部屋の扉の向こうに、俺達三人が現れたことに気づき。
ベッドに腰かけて、俯いていた人物が顔を上げた。
鋭いその視線を、俺は知っていた。
「あんた…。ナツキ…皇王…!」
神聖アーリヤット皇国の皇王にして。
ルーデュニア聖王国の女王、フユリ・スイレン様の実の兄。
ナツキ・スイレン、その人であった。
…なんで、この人がここに。
死んだような静けさの中、俺とルイーシュと、先頭を歩くシディ・サクメの足音。
これだけが、やけに大きく響いて聞こえた。
人の気配はまったくない。
「…ここです」
サクメは、突き当たりの部屋の前で立ち止まった。
磨りガラスの扉の向こうに、ベッドに腰掛ける人のシルエットが見えた。
この磨りガラスの扉にも、幻覚魔法が使われている。
本来は透明な扉なのに、幻覚魔法で磨りガラスのように加工して。
中が見えないように、モザイクをかけているような状態だ。
…こうまでして、隠しておきたい人物なのか?
一体誰だ?
この人物が、俺達に会わせたい人…?
サクメが、磨りガラスにそっと触れると。
幻覚魔法が解け、磨りガラスの扉が、透明の扉に戻った。
途端に、部屋の中の人物の顔が明らかになった。
「…!」
これには、さすがの俺も驚いた。
「…」
ルイーシュは無言だったが、ルイーシュも息を呑んでいるのが分かった。
部屋の扉の向こうに、俺達三人が現れたことに気づき。
ベッドに腰かけて、俯いていた人物が顔を上げた。
鋭いその視線を、俺は知っていた。
「あんた…。ナツキ…皇王…!」
神聖アーリヤット皇国の皇王にして。
ルーデュニア聖王国の女王、フユリ・スイレン様の実の兄。
ナツキ・スイレン、その人であった。
…なんで、この人がここに。



