神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「あの…。いきなり、どうされたんですか?ルイーシュ様…」

俺の質問の意図を計りかねて、戸惑うエリトールさん。

「…想像力…」

「はい?」

想像力ってものが、足りてないんですよ。

他人を傷つけたり、いじめたり、苦しめたりする人間っていうのは。

それがもし、自分にとって大切な人だったら。

それがもし、自分の一番愛する人だったら。

そんな風に傷つけられているのが、自分の命より大切な人だったら。

想像したら、ちゃんと想像出来るなら…人を傷つけようなんて、思わないはずだ。

自分がされて嫌なことは、人にしてはいけない。

…幼稚園の時、習いませんでした?

それさえ分かってないんだから…この国の人達は。

「エリトールさん」

「はい?」

「あなた、頭良いように見えて…馬鹿ですね」

「…はいっ…!?」

「それだけです。…じゃ、お休みなさい」

俺は、片手をスッと上げて挨拶し。

呆然とするエリトールさんを、屋上に残したまま。

一人で、広過ぎる寝室に向かった。

「…キュレムさん…」

今頃彼も、この向かいにある家の寝室で。

落ち着かない気分で、ベッドに横たわって天井を見上げてるんでしょう。

…大変ですよ、この国は。…色々とね。