神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

俺とルイーシュの弟子となった、エリトール君とブラマンジュちゃんに。

連れて行かれたのは、王宮の近くにある、王都ファニレスの高級住宅街だった。

どの家も、やたらとデカい。そして庭が広い。

我が目を疑う光景だぞ。

三階建て、四階建ての家も普通にあるし。

庭に巨大なプールが備えられた邸宅や、洒落た噴水を備え、花々を美しく手入れされた庭園のある邸宅もある。

家の前に、頑丈な壁を備えた邸宅も。

「うわー…」

…いかにも高級住宅、って感じだ。

成金の皆さんが、軒を連ねている。

「この住宅街に住んでる人って…みんな上級魔導師なのか?」

ブラマンジュちゃんに尋ねると。

「はい。この区画全域は、上級魔導師様とその家族しか、足を踏み入れることは出来ません」

「…ふーん…」

ってことは、これらの立派なお屋敷は、全部。

イシュメル女王からのプレゼント、って訳だな。

太っ腹な女王で、羨ましいじゃないか。え?

でも俺は、広い家、大きい家って、あんまり憧れを抱かないんだよな。

俺は、住宅街に立ち並ぶ、ご立派な家々を眺めながら。

思わず、こう呟いてしまった。

「…掃除、大変そうだな…」

「はい?」

「あ、いや何でもない」

こんな広い家…掃除するだけで、1日が終わるぞ。

ついつい、そんなことを考えてしまう。

根が貧乏性なんだろうな。

多分こういう家には、使用人がいるから、自分で掃除する必要はないんだろう。

「…で、俺とルイーシュもここに住むことになるのか?」

「はい。そうなります」

「どの家?」

二人暮らしだし、そんなに広くなくて良いぞ。

1LDKもあれば充分。

料理はしないので、キッチンも要らない。じゃあ1LDで。

…しかし。

「もうすぐ見えてくる頃です…。あ、あの家ですね」

「あぁ、あれ…。…ふぁっ!?」

思わず、「でかっ!」と言いそうになった。

俺とルイーシュの為に用意されたのは、ご立派な新築の家だった。

「これ?これなの?この家?」

「はい、そうですが…」

「…お気に召しませんでしたか?」

いや、お気に召し…。

別の意味で、お気に召さないよ。

何階建てだ?これ。4階くらいない?

庭も超広い。運動会出来そうな広さ。

おまけに、敷地内には、25メートルプールまで併設されている。

俺泳がないから。プールなんて、小学校で卒業したから。

宝の持ち腐れっていうのは、こういうことを言うのだ。

「こんなところに住むのか…。ルイーシュと二人だけの生活なのに…」

「俺とキュレムさんが、それぞれ20人ずつ居たとしても、余裕で住めそうですね」

「まったくだよ…」

聖魔騎士団魔導部隊隊舎の自室とは、雲泥の差。

何倍の広さだ…?これ…。

…と、思っていると。

「あ、いえ。こちらはキュレム様のお家です。ルイーシュ様のお家は、この向かい側にある、白い屋根の家になります」

「は?」

エリトール君は、にこりと笑って。

広い通りを挟んだ向こう側に見える、目の前の家と同じくらい広くて大きくて、豪奢な新築物件を指差した。

…。

わーお。