神殺しのクロノスタシス7〜後編〜

「じゃあ食べよう。ジュリス。パピッコ」

「あぁ…そうだな」

俺、コーヒーで一服するつもりだったんだけどな。

それなりに長い事生きてるが、パピッコで一服するのは初めてだよ。

まぁ、たまには悪くな、

「あ、そうだ。クロティルダにも食べさせてあげたいね」

「は?」

「くろってぃ、」

「ちょ、待った待った待った!」

「もごもごもご」

ベリクリーデが、クロティルダを召喚してしまう前に。

俺は、慌ててベリクリーデの口を塞いだ。

…え?乱暴?

うるせぇ。

こうでもしなきゃ、来てしまうじゃないか。…奴が。

「落ち着けベリクリーデ。奴を呼ぶんじゃない」

「ふぇ?なんで?」

なんでって…そりゃあ、お前…。

…えっと。

「…そう。クロティルダを呼んだら、お前のパピッコがなくなるじゃないか」

「…あ」

良いか、パピッコは一袋に2本しか入ってないんだぞ。

1本を俺に渡して、もう1本をクロティルダなんかに渡したら。

結局、ベリクリーデの分がなくなるじゃないか。

「そうだった…」

「…分かってなかったのかよ…」

アホの子かな?

「じゃあ、今日はジュリスと二人でパピッコ食べるね」

「あぁ。そうしろ」

ホッ。

一安心して、俺はベリクリーデと並んで、パピッコを口にした。

何年ぶりだろうな…。

「パピッコ美味しいねー」

「そうだな…」

たまには良いかもしれない。こういうのも。

ちょっと寒いけどな。

でも、冬に食べるアイスってのも悪くないだろ?

暖かい部屋で食べる、冷たいアイス…。…うん、至高。

こたつがあったら、言う事無しだったんだが。

まぁ、そこまでの贅沢は言うまい。

俺達はこうして、呑気にパピッコを食べていられるが。

今頃、同僚のキュレムとルイーシュは…きっと、それどころじゃないんだろうから。

あいつら、どうしてるかな…。

「…ジュリス、難しい顔してる」

「は?」

「眉間にシワが寄ってるよ。…伸びろ〜」

「ちょ、顔を触んなって…!」

ベリクリーデは手を伸ばして、俺の眉間のシワを伸ばそうとしてきた。

そんなことで伸びるかよ。

「パピッコ、美味しくなかったの?」

「いや、そうじゃなくて…」

「やっぱり、ぶーとじょろきあ味、の方が…」

「…それはない」

断じてない。

もしブートジョロキアなんて口にしようものなら、俺は今頃、眉間にシワが寄るくらいじゃ済んでなかっただろう。

救急車呼ばれるレベル。

「そうじゃなくて、キュレムとルイーシュを心配してたんだよ」

「…キュレムとルイーシュ?」

「あいつら、今、キルディリア魔王国に行ってるから…」

「…」

…ベリクリーデ。

お前、まさか忘れてた訳じゃないよな?