人間恐怖症の私は、氷と月のような君と共に





「何してんの岩生‼︎」


がこんっと落ちた雷で、私も笑みを消す。

「や、やめて……いいよ……っ」


爽くんは、悪くないからっ……悪いのは、私……だから。いつまでも克服できない私が……。

「え……でも……」

「いいの……」

そう言ってクラスの子を追い返すけど、私は少し胸が痛くなった。

私の心配をしてくれただけなのに……。


「……寝不足のせい?」


何もわかってない爽くんが、きっと悪気はないんだろうけどまた近づいてきて、またビクッと肩が跳ねた。


ど、どうしようっ……これ以上逃げても、疑問を持たれるだけ……



「…………おい」



「えっ……?」


ぐいっと手を引かれて、言葉を失う。


この手は……懐かしい。


「……何してんだよ」


「…………れ、い?」



「きゃああああ‼︎」


女の子たちの悲鳴が上がるも、私は色々とパニック状態で、待って。現実が受け入れられてない。


ど、どうして冷が?

私のこと、もう呆れたんでしょう?


どうして冷のこと、みんな見えているの?


冷は、みんなには見えないんじゃ……?

「何……あんた……」


爽くんはぎりっと謎に冷のことを睨んでいる。


「えっ、普通にイケメンなんだけど!」

「誰……⁉︎」

「あの伊江さんが近づいても何も言わないなんて……彼氏⁉︎」


ああっ、勘違いされてるっ……。

冷は……人じゃないから、一応大丈夫。

「黙っとけ、アホ」

爽くんにそう吐き捨てた冷はそのまま私の腕を引っ張った。


「えっ……」

「キャアアア‼︎」

女の子たちの悲鳴に包まれながら、私は冷についていくしかなかった。

** **


連れてこられたのは、裏庭。


「ど……どうして、冷が……?」

「こっちの台詞なんだけど?」

いつになく不機嫌な冷が距離を詰めてきた。

「なんで……」


「え?」

何か言おうとしたけれど言葉を飲み込んだ冷。ちょっと待って……今、どっちも混乱してて……冷の理由は知らないけど……。


「な、なんで……? 冷が、いるの……それで、見えるの……?」