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が、学校にはなんとか間に合った……。
なんだか朝の不吉な事故。……未遂だったけど。が、頭から離れない。
冷の魔法が消えたわけじゃない。だって、事故に巻き込まれる人は一生に5回くらいは経験するって調べたら出てきたし……(※本当かは分かりません 作者)。それは4人に1人らしいし……(本当かは分かりません 作者)。
でも、私はあの体質のことを思い出して、体が震えた。
また、あんなことがあったらどうしよう。
さっきみたいに、助かるのはまだいい。でも……目の前でまた人が、友人が死んでいくのを見たら、私は今度こそストレス障害だけでは済まないと思う。
……私は、このまま誰にも知られず、踏み込まれず、日常を過ごしていけるなんて甘い考えをいつまでも持っているつもりでいるんだろうか。
そんなこと、無理に決まってる。好奇心を持たれて、質問責めにされまくって、私のこの最悪な体質を知られて、みんなにバラされるかもしれない。きっと「伊江の側にいたら死ぬ」っていう噂までもが流れて、私は1人になってしまう。
近づかれると、ゾッとするのに。なぜ私は1人でいたくないなんて思ってしまうんだろう。
あれもこれもと欲張ることは、できないのに。きっとそうしたら、バチが当たる。
……みんなを守るためには、私は冷の魔法がいつ解けるかもわからないから一緒にいない方がいい。
そう思っているのに、実際に魔法が解けそうになったら怖気ついてる私に怒りが湧いた。
「あ、やっほー蒼空!」
「あっ……爽くん!」
学校の休み時間。いつも通り1人でいると、外から爽くんの声がした。
爽くんの元へ駆け寄るも、私は一メートル以内に入ることができない。
入ったらどうなるかもわからないので、私は私が自分で引いたはずの半径一メートルの円の外でわたわたすることしかできない。
「? どうしたの蒼空」
あ……。
——近づかないで。
「……ッ‼︎」
多分真っ青になっているであろう私は速攻で距離を取る。
「あ……ご、ごめんね……? どうしたの? 真っ青だけど……」
私のこんな体質を知られたくない。絶対、離れて行ってしまう。
「え……っと、ちょっと寝不足で……そのせいかなっ……?」
「あれ、そうなの? 気をつけた方がいいよ?」
爽くんがにっこりと笑いながら近づいてくる。
——っと、さりげない‼︎
またさーっと避けるものの、不思議そうな顔でどんどん近づいてくる。
……やだっ、やめて……‼︎
「どうしたの伊江さん、顔真っ青だよ……って」
クラスメイトの優しい女の子が私たちを見て笑みを失くす。



