今まででいちばん、碧くんの表情がやわらかいものなんじゃないかって感じた。部屋が明るかったらよかった……そしたら、碧くんの顔がちゃんと見えたのにな。

……でも、わたしの顔はきっと赤いから、恥ずかしいし暗い方が助かる、と思わないわけじゃないからちょっと複雑だ。

それに──うっ、碧くんの手が全然離れない。

「青空、体温上がってる?」
「えっ!?」

しかも熱くなってるのがバレてる……!

「熱はないみたいだけど」

わたしが熱いのを気にしてか、もう一度碧くんは額をくっつけた。
そ、それじゃ余計に上がってしまうというか──


「……何してるの、碧」

「ひゃっ!?」

突然の声に、頬にそえられていた碧くんの手をにぎってしまった。

「ん、びっくりした……3人とも何してるの?」

びっくりしたと言葉にしてるけど全然そう感じない碧くんは、少し開いたドアへと目をやる。
わたしも視線だけ向ければ、うっすらと見える顔がたて並びになってこちらをのぞいていたのが見えた。

……え?
桃李くんと円華くんは分かるけど、ヒロもいることに驚いた。

「先に僕の質問に答えて」

静かに部屋の中へ入ってくる3人。桃李くんだけが眠そうにヒロに支えられながらベッドへ座った。
円華くんは真っ直ぐ碧くんのもとへとやって来て、返事待ちをする。