莉雨くんを揺さぶる桃李くんに、明華くんはしー!と口元で指をたてる。

「じ、自分精神的ダメージで充電が減ってる……」
「でも今はコンセントさせないから……」

スマホくんたちの視線がゆっくりわたしに向いてきて……

「わ、わたしでは充電あまりたまらないよ?」
「それでもいい。少しでも自分にギブミー体力」

莉雨くんは床をはいながら、わたしの腰に抱きついた。

「はぁー……これで安心」

くっついて充電し始めたせいか、莉雨くんの目は今にも閉じそうなくらい眠い目をしてる。
すると、なんとも分かりやすくヒロが嫌な顔をする。

「……なに、どういうこと?なんで充電で姉ちゃんにくっつくの?」
「青空にくっついてれば、僕ら全員充電増やせるの。充電器よりは遅いけど、今はそうしないと0になる可能性があるからね。"今は"僕の青空にくっついても許してあげる」

戻れなくても焦りを見せていない円華くんは、たんたんと答えるも、ヒロの表情はしかめっ面に。

「くっついて充電とか……ほんとはやく戻って欲しいんだけど。というか人になっても減るものなの?」
「減る。ぼくは今日持ちそうだけど……」

頷く碧くんは、他のスマホくんたちに目配せをした。

「俺も多分いける。明日は充電しないとだけど」
「僕も大丈……いやもたない。莉雨の後にたっぷり青空に抱きしめてもらわないと」
「ウソだぁー円華まだ77%あるじゃん。ボクは65%だからボクがさきー!」