それをやぶったのは、ヒロだった。
「……ご飯食べてる時に、5人から夏休み話とか碧の最初の出会いとか聞いたのを思い出してたんだけどさ」
「何かあった?」
隣に座るヒロに首をかしげれば、ヒロはわたしを見て5人に視線を向けた。
「スマホでいる時間が少なくなって、人化してた時間が長くなったうえに増えたせいで戻れなくなった、っていう可能性あるんじゃないかって思った」
本来機械でいるのが普通なのに、と。
ヒロの言葉にわたしを含めたスマホくんたち全員が核心をつかれ、驚きかたまった。
夏休み中に、人の姿で寝たりして戻らないこともあったから……
ん?でも──
「あまり碧くんだけは人化して寝てなかったのに?」
「スマホで寝ていたにしても、碧は最初に人化してるから、その分皆より長いんだよ」
……っそういうことか。
2番目に桃李くんも長い方だし、夏休み中に起動した3人はほとんど人化していたから……。
「じ、じゃあ自分たち……」
「やっぱり……」
青ざめながら莉雨くんと桃李くんは顔を合わせる。
言いたいことは聞かずとも分かる。
「……ヒロの言う、人化の時間が長かったから戻れないってことが本当なら、俺らもうずっとこのままってことにならないか?」
「うっ……」
ぱたり、莉雨くんは体育座りのまま床に倒れてしまった。
「りうー!」
「わかるけど騒ぐなって……!」



