わたしのスマホくん


「そ、それはやだよっ。ボクはそらとお家帰りたい」

何度も桃李くんは置いてかないで、と泣きそうな表情をしながらわたしの腕にくっつく。

「戻れないからって、置いて行ったりはしないよ?」
「……ほんと?」
「本当。5人とも置いていかないよ」
「そっか、よかったぁ」

安心したように桃李くんは目を閉じる。でもすぐにそのかわいいおめめは大きく開かれた。

「って安心してる場合じゃないじゃん!」
「だから言っただろ!?帰れないって!」
「そうだった……」

しゃがみこみ、夏休みに見せたこの世の終わりみたいに桃李くんは頭を抱える。

「はぁ、焦ったって戻らないものは戻らないんだからしょうがないでしょ」
「うん……ずっと戻れるか試してるけど、全然戻れない。青空、これ以上遅くなるとヒロが──って言ってる矢先にメッセージきた」

姉ちゃんまだ?って。

いつもならすでに夕ご飯の準備をしてるわたし。なのに中々帰ってこないから、ヒロも気にしてる。

「青空……どうする?」

返信も、この状況もどうするか、碧くんの視線からはそう聞かれてるように感じる。

「すぐ帰るって、ヒロには伝えて。とりあえず皆で家に帰ろう」

その後はどうするか、途中で何か考えないと。