「……もう、こうなれば行くしかない」

他の人の目を気にしたらだめ。
真っ直ぐスマホくんたちのところまで行こう。

意を決して門へ向かい、外へ一歩出る。

『……青空!』

う、やっぱり見つかるのが早い。それと今の声は桃李くん以外の4人だと思われる。

女子たちをかき分けて、わたしのもとにやってくると、視界がほぼ人で埋まっていた桃李くんが飛びついてきた。

「そーらぁー!」
「……っとと」
「全然何も見えなかったぁ!ボクもそら探ししたかったのに。ぎゅーして!」

こ、ここではちょっとなぁ……。

「ちょっと待ってね……」
「おかえり、青空。ごめん。来た理由はこれなんだ」

あわてて碧くんは傘をわたしに差し出す。

「傘?」
「……予報はずれたみたいで、青空が帰る頃に雨が降る可能性が高くなったから」
「んで、折りたたみも持ってない青空のところへ碧が行くとなれば、例の病にかかるまいと皆ついて行くことになった、というわけだ。……ごめんな?」

わざわざ傘を──皆機械だし濡れることは好きじゃないのに。

「……ありが──」