わたしのスマホくん


「お迎えに」
「お迎え……?」

無表情の碧くんは、復唱してたずねると"うん"と頷いた。碧くんの隣にいる莉雨くんも頷き、事の経緯を話してくれた。

「……最初は──」

部屋でいってらっしゃいをして、しばらくは雑談をしていたらしい。あえてわたしの話題は出さないように決めながら。
莉雨くんいわく、わたしの話になると『さびしい病になる』って。
この理由はわたしからするとかわいらしい。

だけど話題が途切れたところで、

『あー、今青空は何時間目なの?明華』
『え、俺にきくの?碧の方がくわしくないか?』
『10時22分……2時間目だね。今日は授業らしいものはないみたいけど』
『何してるのかな。自分が学校行ってたら絶対寝ちゃうけど、青空はしないよね』
『だってそらだもん!……ってそらのお話したらさびしい病になっちゃったじゃん!どーするの!?』

急に部屋の中で人化した桃李くんにつられ、次々と人化し……

『僕会いに行く。もうがまんできない。僕をとめたら……分かってるよね?』

部屋から出ようとする円華くんを、明華くんが止めた。

『お、おい待てよ、それはさすがにまずいって』
『いやだいやだ!行くのー!干からびちゃう!ボクは円華派にいっぴょー!』
『円華派ってなんだよ!スマホは干からびないだろ……』