わたしのスマホくん


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夏休み明け初日、休みボケがとれないままの学校になった。
だけど席替えをして渚と席が近くなれたのは良かったかな。放課後、わたしたちの班は掃除係になってしまったけど。
他の班は体育館や視聴覚室と移動しなきゃいけないし教室掃除班なだけ、まだいいか……。

担当の窓拭きをしながら、あと何枚拭くのか横目に数えていれば、


「どこどこ!?」
「あそこ!門のとこだって!」
「え?ほんとだ!」

ベランダに出ている女子たちが何かに騒ぎ出しているのが聞こえてきた。

まただれかの彼氏がむかえにきてる!とかかな。彼氏みたさにすぐこうなるから。

「顔見たいー!」

ざわついているのを感じながらも、あまり興味はないから廊下側の窓拭き掃除を続けた。

だけど……徐々に女子の声が増えていく。


「あのうさ耳のパーカーの子小さくてかわいい!」

ん?うさ耳のパーカー?まぁ、普通に持ってる人はいるでしょ。

「分かる!でもあのクールそうな青緑髪の子もよくない?」
「隣の髪結んでる大人しそうな男の子も美形!」

青緑髪……?
髪結んでる大人しそうな男の子?

「顔似てるあそこの2人組もかっこいいよ」
「どこ?ほんとだ!兄弟かな?」

顔似てる2人組……って、この騒がれてる人物たちの正体──わたしのスマホくんたちでは?

聞こえてくる情報だけで外見一致しすぎだもの。