わたしのスマホくん



ス、スマホ?
いくら何でも、簡単に信じるような歳ではない。

「……確かに、今ちょっとスマホないなぁ……とは思っていたところだけど、さすがにそれを信じることは出来ないというか……」

非現実的すぎて信じる方がむずかしい、よね?どこをどう見ても人間なんだし。


「それもそうだよね……」


なんでそんな悲しそうなの!?
本気でわたしが信じると思ったからこその言葉だったから?
だとしても……話を信じたふりをして何になるんだろう。
わたしのスマホが見つかるわけでもないだろうし、そもそもどんな人か全く分からないんだし。

「どうしたら、君に信じてもらえるんだろう」

でも本人は信じさせたい様子。ならもう少し、話してみよう……。

「碧くんが……わたしのスマホだって言ってたけど、いつ買ったか、とか分かるの?」

「もちろん。ぼくは昨日買ってもらったよ。お母さんとお父さんと同じ種類で、限定デザインのぼくを君は選んでくれたんだ」

え……限定デザイン……ってところも、昨日買ってもらったことも全部当たってる。

「それに、ぼくを買うまでは子供用を使っていたってことも知ってる。昨日はケース選びに熱心だったから、慌ててぼくを充電してくれたのも」

……簡単に信じる歳でもないって思ったけど、これはもしかしたらもしか……する?