「はーい回収」

「うわっはなせ、あすかぁ!」
「離して。青空から遠くなるでしょ。またホラーもの見せられたいの?」

首根っこをつかまれ、ささやく2人を回収した明華くん。

「ホラーはお断り。風邪とかじゃないんだから、青空は学校に行くんだって。碧をのぞいた俺らは留守番」
「嫌だよ、僕はついていく」

円華くんの言葉に、同じくつかまれている桃李くんは目を輝かすも、

「わがまま言うなよ……学校は遊びに行くわけじゃないんだから、この間みたいに5人とも持ち歩かせたら大変だろ?」

確かに……と今度はがっくり肩を落とした。

「……明華、冷静に考えてよ」
「俺は冷静だけど?」
「忘れたの?夏休み中に、どこぞの男から青空を誘うメッセージがきたこと」
「覚えてるけど、それがどうした?」

首をかしげる明華くんに、円華くんは盛大なため息をつく。そして、明華くんの手をはらい向き直った。

「いい?学校が始まるということは、その男と会うかもしれないってこと」

「……直接誘う可能性もある、かも」
「それさいあくじゃん!」

「碧と桃李の言う通り。僕の目の届かないところで誘ってみろ……今度こそ……フフフ」

円華くんだけ悪い顔してる。やっぱりサスペンスとホラーのせいだ。

「お前なにする気だよ……」

桃李くんも離し、明華くんは頭を抱える。