──翌日、昨日からずっとケース探しをして新しいスマホの充電をすっかり忘れていた。急いでリビングで充電をし、パソコンを見すぎた目を休めるつもりでソファに寝転がった。
ほんの、十分ほどのつもりで。

でもいつの間にかぐっすり昼寝をしてしまい、玄関からの足音で目が覚めた。

「……姉ちゃん何してんの?土曜なのに昼寝?」

弟の真宙(まひろ)は、午前中から友達と遊ぶと言って、お昼の時間で一度帰ってきた様子。

「ってもうお昼!?」

時計を見てビックリした。二時間近く経ってたから。

「そうだよ、お昼。このパンもらうよー」

キッチンから菓子パンを持ってきた真宙。
わたしもお昼なんか食べないと。その前に充電器抜かなきゃ──


「……あれ?」
「どしたの?」

充電器にさしたスマホがない。
どういうこと?

お母さんもお父さんも、勝手にわたしのスマホを持っていったり、充電器から取ることもない。そもそも2人とも朝から仕事でいないし。