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今までで一番最速で家に着いたんじゃないかって思うくらい、わたしは走って帰宅した。

「ただいまっ……!」

いつもならちゃんと脱ぐローファーを玄関で放るように脱ぎ、部屋へと走る。
階段をかけあがる頃には声が聞こえてくるものだと思ったけど、静かなままだ。

──もしかして皆戻れた?


「皆、大丈夫!?」

走った勢いのままドアを開けると、床やベッドに散らばるスマホが5台。

「……よかった、戻れたんだね」

おそらくわたしがいない間に充電が0になって、無事戻ったと思われる。
充電器も散らばってるのを見て、安心も束の間。

「……はやく充電しないとっ」

部屋ではコンセントが足りないから、リビングへとおりて5台分充電器につないだ。

「これでまずは大丈夫。……充電してる間に着替えてこよ」

部屋に戻ったあと着替えを済ませ、ヒロには伝えておこうと、今は碧くんが使えないから家の電話から留守電を入れておいた。
"5人とも、スマホに戻れてたよ"って。
それから、夕ご飯の支度をしたり勉強をしたりして時間が経つのを待った。