ショートプログラムの結果は、僅差で私たちが首位に立った。
「よし! このまま勝ち切るぞ」
晴也先生の言葉に頷きつつ、私の心の片隅にふと不安がよぎる。
(またミスが出たらどうしよう……)
フリースケーティングの本番を前に、私はどんどん不安に駆られていった。
「結」
リンクサイドで手をつないでいた晶が、ツンツンと手を引っ張ってきた。
「なに?」
「これ、あげる」
そう言ってつないでいる私の右手を取る。
なにをしているんだろうと思っていると、晶は「ほら」と顔を上げた。
「えっ、これ……」
いつの間にか私の右手薬指に、指輪がはめられている。
まじまじと見つめると、それはピンクサファイアの桜の指輪だった。
「わあ、きれい!」
「いい笑顔だな、結」
「晶、これを私に?」
「ああ」
「え、もらってもいいの?」
「今返されても困る。もう出番だし」
「確かに」
私は左手でそっと指輪に触れる。
不思議なほど気持ちが落ち着くのを感じた。
「ありがとう! 晶」
「どういたしまして。結、またリンクに俺たちの桜を咲かせよう」
「うん!」
笑顔で頷くと、私は晶としっかり手を取り合って氷に下りた。
「よし! このまま勝ち切るぞ」
晴也先生の言葉に頷きつつ、私の心の片隅にふと不安がよぎる。
(またミスが出たらどうしよう……)
フリースケーティングの本番を前に、私はどんどん不安に駆られていった。
「結」
リンクサイドで手をつないでいた晶が、ツンツンと手を引っ張ってきた。
「なに?」
「これ、あげる」
そう言ってつないでいる私の右手を取る。
なにをしているんだろうと思っていると、晶は「ほら」と顔を上げた。
「えっ、これ……」
いつの間にか私の右手薬指に、指輪がはめられている。
まじまじと見つめると、それはピンクサファイアの桜の指輪だった。
「わあ、きれい!」
「いい笑顔だな、結」
「晶、これを私に?」
「ああ」
「え、もらってもいいの?」
「今返されても困る。もう出番だし」
「確かに」
私は左手でそっと指輪に触れる。
不思議なほど気持ちが落ち着くのを感じた。
「ありがとう! 晶」
「どういたしまして。結、またリンクに俺たちの桜を咲かせよう」
「うん!」
笑顔で頷くと、私は晶としっかり手を取り合って氷に下りた。



