練習を重ねるうちに、プログラムは当初の予定よりもレベルをアップさせることができた。

リフトとツイストリフトはまだまだ硬さが残るけれど、それ以外のエレメンツは自信と余裕を持ってできるし、ソロジャンプの高さや息の合った流れるようなスケーティングは私たちの強みだ。

「ステップシークエンスの中にリフトを入れて工夫すれば、充分レベルの高いプログラムになる。ソロジャンプはトリプルトリプルのコンビネーションで飛べば、得点も一気に跳ね上がるからな。必ず全日本チャンピオンペアになるぞ」

晴也先生と真紀先生の指導も熱が入る。
細かい振り付けや、互いに視線を合わせたり演技をする練習も本格化した。

衣装ができあがると、さらにイメージが大きく膨らむ。
『火の鳥』は赤と黒を基調に、『さくらのうた』は晶はシンプルに白と黒、私は薄いピンクの衣装だ。
ショートとフリーでガラリと雰囲気が変わる分、どちらも楽しみだった。

試合のスケジュールと要項が発表され、私たちもエントリーする。
いよいよ今シーズンから参戦だ。
ライバルは今泉・川崎組。
優勝するためにはあのペアに勝たなければいけない。

私たちは夏休みも毎日スケートに没頭した。