「結、ちょっとだけホテルの庭を散歩しない?」
ミーティングを終えると、晶が私にそう声をかけてきた。
「ほら、先生たちをふたりにしたいから」
こそっと耳元でささやく晶に、私もふふっと笑って頷く。
仲よさそうに雑談している先生たちに声をかけてから、ふたりで部屋を出た。
エレベーターで1階まで下りると、ロビーを横切って中庭に出る。
イルミネーションが輝く中を、ふたりでゆっくりと歩いた。
「なんか、変な感じだな。結とはいつもリンクでしか会ってないから」
「うん、そうだね。お互い服着て、靴履いて歩いてるのが不思議」
「ぶっ! 結、俺たち原始人じゃないぞ?」
「あはは! そっか、変ないい方だったね。いつもジャージにスケート靴って格好だから、なんか新鮮なんだもん」
「そうだけどさ」
晶は呆れたように笑ったあと、ふいに切なげな表情になる。
「結」
「ん? なあに?」
「俺、結のことがめちゃくちゃ大切だ。好きとかキライとか、そんな境界線なんかはるかに飛び越えてる。俺にとって結は誰よりも特別で、誰よりも大事な人なんだ」
「晶……」
「もう二度と結から離れない。だから結、これからもずっと俺のそばにいてほしい」
私は胸の奥がジンとしびれるのを感じた。
「うん、私も。ずっと晶のそばにいたい。大好きなスケートを、晶と一緒に続けていきたい。いつまでも、ずっと」
「ああ」
晶は優しく微笑むと、さりげなく私の右手を握る。
練習で毎日手をつないでいるのに、なぜだか胸がドキッと跳ねた。
ふたり並んでゆっくりと歩き出す。
キラキラときれいに輝くイルミネーションの中、私は恥ずかしさに顔も上げられず、うつむいたまま胸をドキドキさせるばかりだった。
ミーティングを終えると、晶が私にそう声をかけてきた。
「ほら、先生たちをふたりにしたいから」
こそっと耳元でささやく晶に、私もふふっと笑って頷く。
仲よさそうに雑談している先生たちに声をかけてから、ふたりで部屋を出た。
エレベーターで1階まで下りると、ロビーを横切って中庭に出る。
イルミネーションが輝く中を、ふたりでゆっくりと歩いた。
「なんか、変な感じだな。結とはいつもリンクでしか会ってないから」
「うん、そうだね。お互い服着て、靴履いて歩いてるのが不思議」
「ぶっ! 結、俺たち原始人じゃないぞ?」
「あはは! そっか、変ないい方だったね。いつもジャージにスケート靴って格好だから、なんか新鮮なんだもん」
「そうだけどさ」
晶は呆れたように笑ったあと、ふいに切なげな表情になる。
「結」
「ん? なあに?」
「俺、結のことがめちゃくちゃ大切だ。好きとかキライとか、そんな境界線なんかはるかに飛び越えてる。俺にとって結は誰よりも特別で、誰よりも大事な人なんだ」
「晶……」
「もう二度と結から離れない。だから結、これからもずっと俺のそばにいてほしい」
私は胸の奥がジンとしびれるのを感じた。
「うん、私も。ずっと晶のそばにいたい。大好きなスケートを、晶と一緒に続けていきたい。いつまでも、ずっと」
「ああ」
晶は優しく微笑むと、さりげなく私の右手を握る。
練習で毎日手をつないでいるのに、なぜだか胸がドキッと跳ねた。
ふたり並んでゆっくりと歩き出す。
キラキラときれいに輝くイルミネーションの中、私は恥ずかしさに顔も上げられず、うつむいたまま胸をドキドキさせるばかりだった。



