氷上のキセキ Vol.1 ~リンクに咲かせるふたりの桜~【書籍化】

「はい、みんな集合!」

次の週のレッスン日。
リンクで練習していたレッスン生たちに晴也先生が声をかけた。
私もみんなと一緒にリンクサイドに上がる。

「えー、今日から新しく新海フィギュアスケーティングクラブに入った、金子(かねこ)晶くんだ。よろしくな」

晴也先生の後ろからひょこっと姿を見せた晶に、私は驚いた。

(まさか、最初から選手コースに?)

レッスンに通い始めるとしても、最初は初心者教室から始めるのが普通だ。
それがいきなり、私たちと同じ選手コースに入るなんて、聞いたことがない。

戸惑う私をよそに、晶は「よろしくお願いします」と頭を下げてから、私を見てニッと笑った。