岩花高校の入学の日。
最寄りの駅から高校までの道を、ドキドキしながら歩く。
「やばい。緊張してきた」
胸の前で手をぎゅっと握る。
大丈夫かな。
私、変じゃないかな。
今の私は、中学を知っている人が居たら驚くくらいには、雰囲気を変えている。
髪型とか、メイクとか。
スカートだって、いつもより短い。
だから、この新しい姿の私に、自信を持てない。
三年間ずっとあったマスクが無いのも変な感じだし、そもそも私は人と関わるのが苦手で、新しい場所ってのは緊張するし。
「大丈夫だって、気にしないの」
隣を歩くお母さんは、そう言ってくれるし、写真を見せた友達には、「変じゃない、人と関わるの苦手には見えないよ」とは言われたけど、見た目を変えたって、中身はすぐ変わらないものだ。
学校へ行く足が、凄く重い。
お母さんにため息疲れながら、周りの新入生よりも、ゆっくりとしたペースで学校に向かう。



