君の素顔に恋をした



「あの二人、終わったかな?」


ガンシューティングをしている二人の様子を見に行くと、まだ終わってないようだった。

区切られた空間から、盛り上がる声が聞こえる。


「まだ待ちそうだね、プリクラでも取りに行く?」


立間さんの提案に、市川くんは顔を顰める。


「絶対やだ。行くなら、二人で行ってきて」

「美羽ちゃんどうする?」


プリクラは、小学生だった時に取ったけど、その時は沙市が全部やってくれたな。

あの時より今の方が、写真に対して苦手意識もある。


「気、向かないなら別に良いんだよ。提案してみただけだし」


悩んでいる様子で察したのか、立間さんがそう言ってくれたので、甘えることにする。


「うん。ごめんね」

「良いんだよ本当に、謝る事じゃないかは。ほら、あっちのお菓子のクレーンゲームしよ」

「うん」


三人でクレーンゲームでお菓子をとっていると、ゲームが終わった横山くんと前田くんも合流して、それなりにお菓子が取れたから、みんなで分け合う。


「荷物いっぱいになったね」

「取りすぎちゃったかも」

「金、使いすぎてねぇ? 部のやつ買える?」

「ちゃんと買えるよ! ……たぶん」


立間さんが不安なことを言うから、みんなでスポーツショップに行って、必要なものを買ってみる。


「ギリいける! ギリセーフ!」

「ギリはまずいだろ」


立間さんが重そうに買ったものを持とうとして、横山くんが奪い取り、適当に分けて、市川くんと前田くんに渡す。


「二人とも忘れんなよ」

「横山が一番忘れそうじゃない?」

「俺より、前田だろ」

「俺、忘れ物はあんまりしないでーす」

「三人ともありがとう。でも、みんな、荷物いっぱいになっちゃったね」

「ちょっと早いけど、解散するか? 明日は、学校だし」

「ゴールデンウィークの疲れ、後、十五、六時間で取れるかな」


みんなの気持ちが解散に向いたことで、ショッピングモールを出て、駅に向かう。


「電車、みんな同じ方向?」

「のはず」


人が多い、あまり来たことのない駅、迷子にならないようについていく。

改札まで来たところで、


「俺、頼まれた買い物あるの思い出した」


なんて、突然、横谷くんが言った。


「お前、今、思い出すの?」

「何、ショッピングモール?」

「そう。一人で買ってくるから、みんな先帰っといて」

「待ってるよ」

「いいから。じゃ!」


話もせずに、横山くんは走って元いた方へ戻っていく。

その後ろ姿をずっと見ていたかったけど、みんなは改札の先へ行くようなので、私もついていく。


すごい、残念。

電車なら、二人になるタイミングがあると思ったのに。

後少しかもしれないけど、まだ一緒にいられると思ったのにな。




「じゃあね」

「うん、また明日」


電車を降りる、市川くんに手を振った。

これで、一人になったので、一人分空いていた席に座る。


今日は、横山くんより、立間さん、市川くん、前田くんとの方が話していた。

だから、ゴールデンウィーク中に期待していたより、横山くんと何かあった訳じゃ無いけど、楽しい時間だったな。

休みの日って言う、毎日会える学生だからこそ、特別に感じる日を一緒に入れて嬉しかったし、横山くんのことを知れて良かったかも。

この調子で、ちょっとずつ仲良くなって行けたら良いな。



そんな考えじゃ、もう遅いと気づいたのは、次の日のことだった。